住宅ローン完済時の平均年齢が年々上昇していることをご存知でしょうか?まじめに働いて収入の範囲で生活していても老後破産してしまう現代。お金の計画を立てることは必須です。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
住宅ローン完済年齢が上昇中
住宅ローンの完済年齢が上昇しているそうです。日経新聞の記事です。
2020年度の利用者が完済を計画する年齢は平均73歳と、20年間で5歳上がった。
※出典:住宅ローン完済年齢上昇 平均73歳 年金生活不安定に 審査、老後リスク吟味必要 – 日本経済新聞(2020年10月5日配信)
この20年間で、完済の年齢が5歳も上がったのです。晩婚化による住宅購入時の年齢が上がったこと、住宅価格が上昇していることが主な要因です。
退職金が減少、年金で返済を続けるしかない
以前は退職金で住宅ローンの繰上返済をする方が多かったのですが、退職金は年々減っていますので、それも叶わない方が多いのでしょう。
年金で住宅ローンの返済をしていては老後破産への道にまっしぐらです。
20年前は、まじめに働いて収入の範囲で生活していれば、年金も退職金もあり、お金の計画はあまり必要なかったのかもしれません。
ですが現在、お金の計画をしていないと老後破産してしまうのです。まじめに働いて収入の範囲で生活していても、老後破産してしまう時代なのです。
目先のお金のことではなく、20年・30年先を見て、お金の計画ができないと破産してしまう時代だと、心してくださいね。
Next: 借金返済だけで人生が終わる?完済時の上限年齢は80歳まで引き上げ
お金の計画なしに生きられない時代
また融資条件が甘くなっているのも要因のひとつでしょう。完済時の上限年齢が80歳まで引き上げられています。
我が家が住宅ローンを借りた2001年頃は、70歳が上限でした。いつの間にか、ほとんどの銀行が80歳になっています。
当時は頭金10%以上を用意するのが主流でしたが、頭金不要の「フルローン」を認める銀行も増えてきています。
借りられる金額でマイホームを買うのではなく、「返済できる金額」でマイホームを購入してくださいね。すでに購入している方は、返済が無理だと気が付いた時点で売却を検討してください。
マンションであっても、20年・30年だとローンの残高では売却できないことも考えられます。なるべく早く売却することです。
あなたの人生は、住宅ローンを返済して、子どもの教育費を支払うためにあるわけではありません。お金の計画をしっかり立ててくださいね。
『教育貧困にならないために』(2020年10月12日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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