定年後のご自身の生活を具体的に考えたことはありますか?ひとまず定年まで働こう…と決めて無策な人は危険です。健康寿命は、男性72.14歳、女性74.79歳。あっという間に過ぎ去ります。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。
「老後不安」よくある2パターン
勤務先の60歳の定年を迎えて、その後、その勤務先に再雇用された方。起業された方。特に何も収入を得ることはすることなく、悠々自適の生活(ご自身の見解)を始める方。
そんな方々は、まさに人生終盤のターニングポイントにいると言えます。
今回は、その後の人生を豊かに過ごすために、この時期をどのように位置づけたら良いのかを考えてみたいと思います。
ファイナンシャルプランナーである私の元に、ご自身や配偶者が定年を迎える(もしくは迎えた後)にあたって相談に来るその内容は、主に2つに分けることができます。
1)これからの生活は大丈夫だろうか?
2)定年後、こんな生活をしたいけど家計的には問題ないか?
前者は、まだ定年後のご自身の生活を決めていない方。または、複数の候補は考えているけれど、具体的には決めかねている方からよくされる相談です。とりあえずは今までの勤め先に再雇用してもらい、その間に決めようか……という考えを持っている方もこちらに入ります。
後者は、定年後に起業するなど進路は決めているが、長年の夢を実現するにあたって、家計的には問題ないか、生涯生活は成り立っていくのか確認したい方などです。
大きく、上記の2つに分けることができます。
定年は、会社規定ではなく自分で決めるもの
前者の(1)の中には、新卒として入社してから数十年間に渡り組織の中で勤め上げてきて、自分が思うように生きていくことは一種の「わがまま」を言っているように感じて、自我を主張することに遠慮する癖が身についている方もいるように思えます。
結論から申し上げて、ご自身の人生ですので、ご自身のことは自分で決めれば良いのです。
もっと言えば、定年退職の年齢も自分で決めれば良いのです。
とは言っても、無計画に過ごしては、それこそ家計が破綻しかねません。定年を迎える前に定年後の生活を想定して、準備をしておくことも必要です。
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