突然、韓国が日本へ「土下座外交」を始めたことを特集する。その狙いは何か?すべては「南北関係を正常に戻したい」という理由からである。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)
※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2020年11月15日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
徴用工賠償に応じれば後で韓国政府が補填する?
今回のメルマガでは直近の日韓関係について、突然、韓国が日本へ「土下座外交」を始めたことを特集する。昨年とは打って変わって、急に擦り寄ってきても日本は冷ややかに対応していることも併せて紹介したい。
それについてはまず、徴用工問題の進展から始めようか。
これは朝日新聞の報道したニュースだが、韓国政府が「企業が賠償に応じれば、後に韓国政府が全額を穴埋めする」との案を非公式に日本政府に打診していたという。しかし、日本側は1965年の日韓請求権協定で賠償問題は解決済みとの立場から拒否した。
※参考:韓国「賠償応じるなら穴埋めする」 元徴用工問題で – 朝日新聞デジタル(2020年11月4日配信)
日本側は、企業の補填がどうとかで争っているわけではない。1965年に解決済みの問題を蒸し返すな、ということだろう。
仮にこれで日本が応じたら、慰安婦問題と同じような結果となる。いつの間にか日本は責任を認めた。損害賠償だという声は数年後には起こる。日韓慰安婦合意を事実上破棄して、約束を守らない韓国なら99%あり得る。
そもそも私や読者様もそうだと思うが、日韓慰安婦合意だってどうせすぐに破られると予想していた人が多数だろう。
実際、次の政権ですぐに破られた。韓国がいかに約束を守らない国家であることは理解できよう。だからこそ、日本はここで一歩も引いてはいけないわけだ。
韓国政府はこの朝日新聞の報道を否定したが、実際は打診したのだろう。
迫るタイムリミット。韓国議員が続々と来日
そんな中、徴用工問題に関連して差し押さえられた日本企業の資産現金化が進展して、12月30日に差し押さえ命令が効力を発揮するという。レコードチャイナによると次のようだ。
審問書は10日午前0時をもって効力が発生し、差し押さえ命令は12月30日午前0時に効力が発生する。法曹界によると、公示送達した審問書の効力が発生したということは、裁判所がこれ以上訴訟相手を審問せずに判決を下すということになるという。
出典:元徴用工訴訟、日本企業の資産現金化手続き進む、「来月30日に差し押さえ命令効力」と韓国紙|レコードチャイナ(2020年11月15日配信)
つまり、日本企業の資産現金化は、12月30日以降からいつでも可能ということだ。なんだかんだいって来年に持ち越されたわけだが、1月・2月あたりにくるかもしれない。このように日本企業の資産現金化までタイムリミットはほとんどない。
そんな中、新型コロナウイルスでの渡航制限が緩和されたことで、なぜか、続々と韓国の議員が日本に来ているのだ。土下座外交である。
アポも取らないで菅総理に面会するなどいった議員もいたが、総理は韓国側が環境を良くしろと冷ややかに対応したようだ。
Next: 菅総理にもおべっかを使う文在寅大統領。なぜ日本に擦り寄り?
菅総理にもおべっかを使う文在寅大統領
それだけではない。14日に開かれたASEAN+3カ国のテレビ会議で、文在寅大統領と菅総理も出席したのだが、韓国の文在寅大統領が次のような不自然な挨拶をしている。
「尊敬する議長、各国の首脳の皆様、特に日本の菅首相、お会いできてうれしい」
いきなり菅総理に媚びを売るかのようのような挨拶に絶句した方も多いことだろう。こんな気味の悪い挨拶をするぐらいなら、さっさと元徴用工に韓国政府が金を出して解決しろ、と多くの日本人は思ったんじゃないだろうか。しかし、その方法を取れば日本に完全敗北したことになるので、韓国側はしないらしい。
先ほどの補填する案と大して金銭的に違いはないのだが…。
バイデン氏との電話会談では勝利宣言?
他にもバイデン氏との電話会談の時間で日本は10分(NHK報道だと15分)で、韓国14分だと韓国政府は自慢した。
しかし、日本よりも先に電話会談を取り付けたといいながら、日本より後で会談をしている。しかも、文在寅大統領はバイデン氏に媚びるために、彼が好きなアイルランドの詩人シェイマス・ヒーニーの「トロイの癒やし」を引用したりして時間稼ぎをしていたということも報道されている。
対して日本との電話会談では、バイデン氏は尖閣諸島への中国船の相次ぐ侵入を考慮して、日米安保5条適用などにも言及したようだ。時間・内容・順番でもすべて日本が上という結果に思えるが、韓国政府はなぜか優越感に浸っている。
そもそも一番大事なのは「内容」なのは言うまでもない。日本より先に電話会談をするといって、外相を訪米させるもバイデン陣営との接触はできず、無駄な対抗意識を燃やしたあげく、結局、日本よりも後回しにされたという。
日本への擦り寄りの狙いは「南北統一」
文在寅大統領の対応からは日本への擦り寄りが見られるが、その理由はいったい何なのか。
日本との関係を改善したいのでは?そう思った読者様もおられるだろう。しかし、実は違う。すべては「南北関係を正常に戻したい」という理由からである。
東京五輪の開催に際して北朝鮮側と接触して、平昌五輪のような南北合同チームを結成し、南北統一を目指すために東京五輪を利用したい魂胆が本音のようだ。
だから、訪韓した韓国議員は東京五輪を日韓で協力しようとかふざけたことまで言い出す始末。だが、日本人は覚えている。東京五輪が決まるまで韓国に執拗に嫌がらせを受けていたことを。どこまでも北朝鮮ファーストらしい。
Next: 日本の反応は冷ややかでもお構いなし?すべては「南北統一」のため
すべては「南北統一」のため
もちろん、日本の反応は冷ややかである。また、南北関係をぶち壊したのは韓国の文在寅大統領本人である。当メルマガでも過去に指摘している。2019年2月28日、2回目の米朝首脳会談で米朝が決裂してから、すぐに北朝鮮は韓国に裏切られたことを明らかにしている。
それから関係は悪化して、今年の6月18日に南北共同連絡事務所が爆破された。南北関係はこれで終わった。
それでも諦めないでひたすら接触を試みて失敗。しかし、確実に接触できる機会が東京五輪というわけだ。
このような理由で日本に土下座外交を行うわけだが、その理由も日本人には納得いかない。完全に無視でいいだろう。
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- 440回「突如、日本へ土下座外交を始める韓国にガースー総理は冷ややか」(11/15)
- 439回「バイデン氏が過半数を獲得して勝利宣言するもトランプ大統領も月曜から訴訟準備!」(11/8)
- 438回「韓国経済にとってトランプ大統領、バイデン氏のどちらが有利なのか」(11/1)
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『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』(2020年11月15日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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