テレ朝、古賀氏降板問題に構図が重なるTBS上杉氏降板

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「TBS上杉降板問題」再考

 『上杉隆の東京脱力メールマガジン』第305号(2015年4月4日号)より一部抜粋

金曜日(4月3日)のニューズオプエドで特集した「TBSラジオの上杉隆降板問題」が大きな反響を呼んでいる。

4年以上も前の出来事だったが、ちょうど古賀茂明氏の「報道ステーション」降板問題と構図が重なったこともあって、オプエド視聴者の関心を呼んだのかもしれない。

官房長官の意向、官邸からの「圧力」、テレビ局側の忖度、レギュラー降板、共演者との確執…

最近の古賀氏と報ステのやりとりをみていると、確かに4年前、私の身に降り掛かってきた出来事と重なってみえる。

便乗して騒ごうとしているわけではない。構造的な問題として、何も変わっていないことに改めて力が抜けただけだ。

結局、権力の意向を忖度するということは、テレビ朝日やTBSだけの問題ではなく、放送界やメディア界全体に共通する病理なのではないか。

そんなことを思い出しながら、報ステの騒動を取材していた(4月10日発売の文藝春秋に掲載)。

さて、私は、金曜日のオプエドで公開した以外にも複数のテープ(記録)を所持しているが、その一部を公開するといいながら、していなかったことに気づいた。

まずは、3年前、当時メルマガに書いた記事をそのまま再録する(一部無関係の下りだけ割愛)。

※※

大手メディアには優秀な記者が少なくない。私など、まったく歯も立たないような記者や頭の切れる記者をたくさん抱えている。

だが、記者クラブという古いシステムと、そのカルテルに毒された上層部の存在によって、そうした優秀な現場の記者たちの活躍の場は奪われてしまっている。

それは、拙著『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎)の最後でも指摘した通りだ。

もちろん、TBSにも多くの優秀な記者がいる。大抵は、画面にはあまり登場しない若い記者たちであることが多いのだが、上層部も含めて間違いなくそうした良心は存在する。 当然ながらTBSといえども一枚岩ではないのだ。

昨年来続いているTBS側と私との確執をみて、メルマガ読者でそうした社員のひとりから、次のようなメールがあった。

「(前略)上杉さん、お久しぶりです。いつもメルマガを楽しみながら(ちょっと心配しながら)拝読しています。

(略)一読者として、またTBSの人間としてひとつ提案させてください。うちとの騒動の件ですが、メルマガを読んでいる者として、また昨年来のうちの決定にも一部関わった者として、上杉さんの言動は十分理解しています。しかし、小島や水道橋さん、町山さんも含め、TBSの社員といえども、本当の事情を知らない者が大半で、上杉さんがこのまま誤解され続けたままになるのではないかと危惧しております。

(略)有料ということもあって難しいのかもしれませんが、せめて古いメルマガをある程度公開して、もう少し丁寧に説明されてもいいのではないかと思った次第です。

(略)最後のメルマガが「つづく」のまま中途半端な形で終わってしまっているのは一読者としても残念な限りです(笑い)。

(略)うちと一戦交えることを煽っているのではありませんよ。いまは敵対する形になっていますが、これまでの上杉さんのTBSへの貢献を知って感謝している者は私以外にも少なくありません。いつかまた一緒に仕事ができるようにこの際、完全に膿を出し切ってもらうことを心から願っています(後略)」

確かにそうだった。昨年までに本メ ルマガで「TBSとの確執」について触れたのは9回、それは以下の通りである(最新順)。

確かに、このTBS社員のメールにもあるように、一連の配送の最後になる2011年3月20日号は「(つづく)」という形で終わっていた。

私が、官房機密費問題について、メルマガという若干クローズドな方法を使って説明してきたのは、既存媒体での制約があったからという理由の他に、あまりこの問題を外部に広めたくないという気持ちがあったことも正直に告白しなくてはならないだろう。

決して、それは説明から逃げているわけではない。単に、そんなことに時間を割くのがもったいなかったからである。

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上杉隆の東京脱力メールマガジン
著者/上杉隆 (ジャーナリスト〈一時復職中〉)
情報操作だらけの大手メディア報道では絶対伝えない情報を届ける「東京脱力メールマガジン」。第一次安倍政権の内幕を描いた「官邸崩壊」以来、安倍晋三の仇敵となった上杉隆が、ブログやtwitter、facebookでは書くことができない、今、伝えたい情報とは!

 

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