【三重】女子高生は、なぜ同級生男子に自分を殺して欲しいと頼んだのか

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三重県に住む高校3年生の男子生徒が「頼まれたから」という理由で同級生の少女を殺害した事件。その不可解さから各所で様々な議論が起こっていますが、『メイド喫茶元オーナーが教えるサブカル恋愛塾』著者のヒロNさんは背景に「シンパシーホリック」があると解説しています。日本語にすれば「共感依存症」というこの心理状況、いったいどのようなものなのでしょうか。

シンパシーホリック

三重県で高校生の女子が胸を刺されて死亡する、という事件が起き、刺したのは同級生の男子だったとか。しかし、刺された女子には普段から自殺願望があり、男子は、女子に懇願されて、刺したということらしい。

これについて、ある番組のコメンテーターが、「なぜ、男子がこんな頼みを聞いてしまったのか、全然訳がわからない。他に事情があったんじゃないか」みたいなことを言っていたけど、そういう人は、はっきり言って、コメンテーターなんて看板、下ろしたほうがいいとか思いました。

この事件、背景にあるのは、「共感依存症」(シンパシーホリック)なのです。シンパシーホリックとは、僕の作った造語ですけど、つまり、「共感」を異常に欲する、という症状。つねに、「自分と他者との共感を強く求め、そして、その共感が足りないという渇望感に悩まされたり、人に、共感を求めすぎて、破滅したり、人を破滅させてしまう」という異常な心理状態のことを言います。

「人からの共感を異常に渇望する」
「人から共感を得られないことに異常に恐怖する」
「人から共感を得られていない自分を嫌悪する」
「人から共感を得るためにどんなことでもしてしまう」

共感、共感、共感。共感してもらえなくては、生きていけない。共感依存症、というか、共感強迫症とでもいう症状が蔓延しているようにしか思えないのです。「つまようじ君」も「ドローン少年」も最近の一連のいじめ自殺事件も、なんもかも、この「共感依存症」という見方をすると理解しやすい。

そもそも、「人と共感する」ってこと、そんなに大切なことなんでしょうかね? 共感できれば、身を滅ぼしてもいい、なんて、絶対にそんなことはないんじゃないかと思うのですが。

そういえば、今から70年前、日本が戦争に陥った時も元はといえば、皆「こんな戦争は間違っている」と感じながらも、「皆が銃を取って戦っているのに、自分だけ参加しない訳にはいかない」つまり、共感のために、命を落とし、国を壊してしまったって経験もありますよね。

この三重県の事件も、まず自殺したがっていた女子の根本には、「人から共感されない自分への絶望」があり、さらに、その自殺を手助けしてしまった少年にも、「女子との共感を壊したくない」という共感への強迫観念が働いたんだ、というふうに思えます。

この、異常な「共感への渇望」という問題に気づき、それを解決していかないと、ますます今後、この「共感依存症」に罹る不幸な人って、増えていくような気がします。

image by: photo AC

 

メイド喫茶元オーナーが教えるサブカル恋愛塾』より一部抜粋

著者/ヒロN
メイド喫茶元オーナーで、サブカル系恋愛指南として、「女の子の取扱い説明書」という著書を持つ。メルマガではもてない男女に、異性との付き合い方のノウハウを伝授。
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