ロシア人の記憶力のよさは「教育」
では、なぜロシア人は記憶力がいいのでしょうか? 「遺伝子」ではありません。「教育」です。
ロシア人は、子供の頃から「詩」を暗記させられます。私の4歳の娘は幼稚園で、「秋に関する詩を暗記して発表してね」と宿題を出されました。学校にあがると、プーシキンなどの詩を暗記させられます。
子供の頃から暗記を繰り返しているうちに、どんどん記憶力が上がってしまうのでしょう。ですから、ロシア人はプーチンの記憶力に、外国人ほど驚きません。
記憶力は、いつでもよくすることができる
私自身、モスクワに来た当時、記憶力がよくありませんでした。それで、大学ではとても苦労しました。
モスクワ国際関係大学1年目は、「本科」の入学試験に備えるための「予科」で学びました。
プログラムは、「半年でロシア語をマスターする」(!)、「半年で、入試に備える」(!)という非人道的に過酷なもの。日本人としてのハンディもありました。
というのは、他の国からきた留学生は、いわゆる「社会主義国」から来ている。それで、ロシア語をかなりマスターして留学している。
私は、ロシア語をまったく知らずに来た。「ゴルビーが面白そうなことしている。何が起こっているかみてみよう!」という、軽い、あまい気持ちで留学したことを、後悔しました。
しかし、自分で選んだ道なので仕方ありません。毎日深夜3時ぐらいまで勉強をしつづけた。半年ぐらい経つと、脳の中で何かが変わってきました。記憶力がどんどんよくなっていったのです。
19歳でも、訓練で記憶力はよくなる。実際、記憶力は、30歳からでも40歳からでもよくすることができます。
日本人でも、成功している人は記憶力がいい
私がお世話になったO社長は、世界中の支配者層と交流があります。その人脈が、欧米、中国、ロシア、インド、イスラエルなどにまたがっているので、とても不思議。
それはともかく、O社長の記憶力がすごい。
「北野君、5年前にあったとき、○○をしている、○○さんという人の話ししてたけど、あれいまどうなってる?」」などと聞いたりします。
「社長、記憶力すごいっすね!」というと、「なんか、思い出そうとすると映像で出てくるんだよね」とのことでした。
私もいろいろな人にあっていますが、成功している人は「記憶力がいい」という共通点があるような気がします。