MAG2 NEWS MENU

子どもへのお小遣い、何歳からいくら渡せば金銭感覚が身につくのか

子どものお小遣いはいつからどのくらい渡せばよいのか、どのようにすれば子どもの金銭感覚が養えるのか。家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんがメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』のなかで、子どものお小遣いに関する独自の三原則を紹介しています。

子どものお小遣いはいつごろからいくら渡せばいい?

子どもへのお小遣いを、欲しいときに欲しいだけ渡すようにしています。

先月は3度のお祭りがあり、4年生の娘にその都度3000円渡しました。

いくらお祭りがあったといえ、ひと月に9000円は多かったと思います。

いつごろから、いくらくらい渡すようにすればいいのか悩みます。

(静岡県在住 T・Hさん(30代)小4、小2年の母)

家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答 

お小遣いは、一生にわたるお金との付き合いのスタートです。

お金の教育は、子どもに金銭感覚を持たせるためだけではなく、さまざまな力を養うことに繋がります。

子どものお小遣いに関する三原則(柳川オリジナル)をご紹介します。

1.足し算、引き算ができるようになってから

金融広報中央委員会の資料によると、小学校へ上がったらお小遣いを与えるという家庭が多いようです。

また、金額は以下が平均値になっています(H23年度 金融広報中央会より)

○小学1、2年→799円
○小学3、4年→998円
○小学5、6年→1104円
○中学生平均→2753円
○高校生平均→6825円

私は、「算数の足し算引き算ができるようになってから」をおすすめします。

お店に自分で買い物へ行き、商品を買っておつりを計算できるようになるのが理想です。

我が家では小学3年生から毎月1回の定額制で渡しています。

2.定額制

1ヶ月×1回、2週間×2回、10日間×3回、1週間×4回など期間を決めてお小遣いを先渡しする方法です。

もらったお小遣いをすぐに使ってしまえば、次にもらえるまで何も買えません。

一方で、本当に欲しい物をお金を貯めて買う、という経験もできます。

計画的にお金を貯めたり、使ったりできるので、管理する力我慢する力欲求をコントロールする力がつきます。

その都度お金を与える、という方法もありますが、おすすめしません

というのも、欲求をコントロールする力が身につかないからです。

お金との付き合い方を教えるうえで、一番大切なのは、欲求をコントロールする力です。

これができないと、計画的にお金を貯める、使う、投資するといった金融教育をしてもいざというときに失敗をする可能性もあります。

3.お小遣い帳をつける+会計監査

お小遣い帳をつけることで、次の三つの力を養うことができます。

計画(我慢)力・・・欲しい物を買うために、いくらずつを何ヶ月間貯めればいいのか。

管理力・・・今いくらあって、いくらなら使っても大丈夫か。

判断力・・・買った物に対して買ってよかったか、買わなくてもよかったかを判断することで、むだな衝動買いがなくなります。

お小遣い帳に記載する項目は、次の六つをおすすめします。

1.日付

2.もらった金額

3.買った物と金額

4.欲しい物とそれを買う時期

5.欲しい物を買うための毎月の貯金額

6.残った金額

そして、次にお小遣いをもらうときに、親が監査することです。

低学年や、つけはじめたばかりの頃は、お小遣い帳をまめに確認してあげると、習慣づけることができます。

慣れてきたら、確認する間隔をあけるようにします。

そして、次にお小遣いを渡すときに、前回のお小遣いの使い方を見て、親子で感想を話し合うのもよいでしょう。

このとき大事なのは、子どもを「認めてあげること」です。

「きちんと記録がついてるね」

「計画的に使えてるね」

「〇〇円貯まったから、もうすぐ欲しい物が買えるね」

「お金の管理が上手になったね」

「むだな使い方がなくなってきたね」

など、ちょっとしたことでも見逃さずに伝えてあげましょう。子どもにとっては大きな励みになります。

家庭教育アドバイス「お小遣いのQ&A」

Q:子どもがお小遣いの前借りをしたいと言ったらどうしたらいいでしょう?

A:基本的には、前借りはダメです。

いつでも欲しい物を買えるように予備費を取っておく工夫や、やりくりをすれば前借りをしなくてもよいはずです。

こうした管理能力を鍛えるためにも前借りはしない、とはじめにルールを決めておくことをおすすめします。

Q:妻は「手伝いをするたびにお小遣いを渡す」と言いますが、なんとなく納得できません。

  手伝いは報酬に値するものではないと思いますがいかがでしょうか?

A:私はおすすめしません。本来、家のことを手伝うのは、「家族の一員としての役割」で当然のことです。

やって当たり前のことに報酬を与えると、報酬目当ての手伝いしかしなくなります。

「大変そうだから手伝おう」という気持ちを育み「助かったわ、ありがとう」と感謝されることの経験を積む場の一つでもあります。

けれども各家庭の教育方針にはそれぞれ違いもありますので、よく話し合ってみてください。

以下の教育方針の方もいらっしゃいます、ご参考になるかもしれません。

http://kosodategaido.com/archives/28
「小学生の子供に本を読ませる方法はお金で釣ること。邪道な教育法で頭のいい子が育つ」

image by: shutterstock

 

子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
<<登録はこちら>>

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け