だけど、「おもてなし」ってそういうことなのかしら。と思うことがありました。
先日の日本出張の際、友人に頼まれたお土産を買うため、空港の中のCDショップにチェックイン後、搭乗前に立ち寄りました。
いつものようにガムを咬んで、ほおづえをつきながら、やる気ゼロに見えるアメリカ人店員に探してるCDのタイトルを告げました。
彼はあくびをしながら、「うーん…、わかんねぇな。一緒に探そうぜ」と僕をカウンターの内側に呼び寄せ、ふたりで丸イスに座ってコンピューター上の在庫を検索しました。「ちょっと待てよ、たぶん裏の倉庫に在庫あるかもよ」―。
出会って5分の僕に店番を頼み、ストックを探しに彼はいなくなりました。5分後、何枚かのCDを手にした彼は裏から出てきました。「同じアーティストの他のタイトルはあるんだけどさ。これにしときなよ」―。お礼を言って断ると、「じゃあ、スグ仕入れてやるから、連絡先教えてくれ」と。お土産だから今じゃないと意味がないんだと告げると、「そっか、じゃあ、念のためも1回探してきてやる」とまた裏の倉庫に―。
態度も言葉遣いも100点満点中、ゼロ点だけど、でも必死で探してくれた。
その便で成田に到着した後、空港内のCDショップで同様の質問をしました。
ものすごく低姿勢で100点満点中、100点な言葉遣いの女性店員は、45℃の完璧なお辞儀をしながら、たったひとこと。
「申し訳ございません。こちらでわかりかねます」―。
はたして「おもてなし」の本来の意味とは。こういったことを考えさせてくれるだけでも日米間を行ったり来たりの生活をしていて良かったなと思います。
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『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 より一部抜粋
著者/高橋克明
全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる
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