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経費節減が招いた悲劇。順風満帆の会社が「解散」に追い込まれたワケ

会社を起業する上で考えなくてはいけない、リスクマネジメント。避けては通れない問題です。中川扶二夫さんのメルマガ『NY在住となりの起業家中川扶二夫「誰でもなれる海外起業家論」』では、突然会社を襲った悲劇を自身の体験に基づいて紹介しています。これから起業を考えている方に役立つ情報です。

ブラック・フライデーってどんな日?

ブラック・マンデーご存知ですか?

1987年10月19日(月)にアメリカで起こった株の大暴落です。正に暗黒の月曜でした。この日の株の下落率は22.6%。この影響で日本の株も14.9%下がりました。

では ブラック・フライデーはご存知ですか?

これは先週の金曜日、すなわちサンクスギビングデー感謝祭)の翌日です。

感謝祭は11月の第四木曜日なのでどうしても、この木曜日と土日の間の金曜日が注目されます。学校は、この金曜日を休みにしているので四連休となります。最近は、この日を休みにして四連休にしている企業も増えています。 

さて、このブラック・フライデー大セールで有名な日となっています。

この日を何故ブラック・フライデーと呼ぶかと言うと、アメリカでは感謝祭セールが有名です。そして、その感謝祭セールで売れ残った商品をさらに安くする日がこの日なのです。

まだまだこの日は仕事がある人も多く、そのため早朝(朝3時頃)からお店はOPENします。真っ暗なうちからOPENするのです。だから、ブラック・フライデー!!!

ではなくて…、

この日の売り上げは年間の最大になるので、お店は黒字になるそうです。だから、黒字、すなわちブラックになる金曜日なのです。だから、ブラック・フライデーなんです。

セールをしないアップルストアこの日だけはセールします(笑)。アバクロは早朝から毎年大行列です。

最近ではさらに売れ残った商品をネットで大セールする日があります。サイバー・マンデーと呼ばれ、翌週の月曜日です。ネット大手のアマゾンも大セールします。

12月2日にはNYCのロックフェラーセンタークリスマスツリーも点灯し、これからは全米でクリスマス商戦が始まります。

車なして買い物できるNYCはクリスマスショッピングで大人気!五番街だけでなく、町中は人、人、人、車、車、車。マンハッタンは大渋滞

この季節は歩くことが多くなるNYCです。寒いNYC。どうしてもタクシーに乗りたい気持ちになりますが、大渋滞で必ず、待ち合わせに遅れます(笑)。だから、コート、マフラー、手袋でマンハッタンは歩くのが大正解!

クリスマスのライトアップで素晴らしいマンハッタン。ショーウインドーを観て歩くだけでもHappyになれます。是非一度この時期のNYCにお越しください。ただし、週末のホテルは高いですよ(笑)。

そんな冬のNYCで大失敗した経験があります。

会社を解散、その理由とは

洋服のお直し会社を解散しました。その社名はArtfit(アートフィット)。芸術のように服を直しフィットさせる会社です。

旅行業アムネット、人材業アクタス、出版業アングルプレスが好調だったので、2006年に気軽にお直し業へ参入しました。

社員は3名。

アメリカでは日本のような丁寧なお直し屋がなく、OPEN後直ぐに、お客様も増えてきました。当時ヤンキースの松井秀喜選手もお客様でした。高級スーツを五番街で購入し、その足でいつもArtfitにお持ち込み頂きました。

アートフィットでも社員と夢を共有し、順風満帆でした。

しかし、そんな時期に…お店が火事になったのです。

原因は未だに不明なのです。全く火の気のないところから出火…、あるいは放火…、とにかく、消防署の見解も原因不明なのです。

この時、大きな失敗をしていることに気づきました。

賠償保険金額が少額

起業でのリスクの甘さです。既存の3社が黒字なので、4社目のリスク管理が甘過ぎました。

明らかに賠償に必要な金額の保険入ってなかったのです。

それと、責任者選任に関して、私の甘さです。

私が選任したArtfitの社長は社員としては優秀な人でしたが、経営者としては一年生だったのです。そんな事は百も承知な私だったのに…。

それなのに、すべてを任せ過ぎたのです。本当に私の管理監督ミスなのです。

その責任者は経費削減に良かれと思い、保険金を少額にしていたのです。その報告を適当に聴いていた私の責任なのです。

お客様には誠心誠意お詫びし、保険金以外で、約20万ドル2000万円)を弁済しました。経営者として、これは猛反省した出来事です。

お金以上の問題もありました。お客様によっては形見の衣服もあったのです。その思い出までも焼失させてしまったのです。

社員はその辛さから、これ以上仕事ができなくなり、私は会社を倒産ではなく、「解散」させました。取引先への支払もすべて履行しました。

解散なので、弁護士費用をかけきっちとしました。費用は5000ドル前後だったと記憶しています。

倒産だと、未払いも帳消しになりますが、以前も言ったように、築いた信用も帳消しとなります。解散はしましたが、倒産させたことはありません。

起業において経費削減は大切ですが、必要な保険労働基準法等の法律順守しないと、倒産のリスクが高まります。

それと、油断にも注意してください。常に起業時の初心で!

image by:Shutterstock

 

NY在住となりの起業家中川扶二夫「誰でもなれる海外起業家論」

著者/中川扶二夫
日米での起業家。ノマドライフ家。29歳の時に単身ニューヨークへ渡り起業。現在では全米に6業種6社(20支店)を展開中。毎週水曜配信のメルマガには、起業やトラブル解決法などビジネスヒント満載です。
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