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日本方式の地デジが、世界中の統治者の「人民監視」を可能にする恐怖

日本方式の地デジを採用する国が世界中で増加していますが、これは便利な反面、受信者の反応や動作が政府機関などによって掌握できてしまうという恐ろしい面も持っています。メルマガ『異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまで』の著者で各国のスパイ事情などにも詳しい加藤健二郎さんは、自ら経験した「監視恐怖体験」をきっかけに、地デジの採用によって人民が監視される時代が来たことを覚悟した方がいいと持論を展開しています。

日本方式地デジと米国情報機関

日本の国際展開ビジネスが勝利へ向かってばく進している例の中でも「地デジ採用国の増加」は、なかなか大きなニュースになることがない。本当に勝ってるジャンルは、メディアになんかに騒がれない方が良いのかもしれない。2015年8月に、中米ニカラグアが、日本方式の地デジに決めたことで18か国目。特に、中南米では、米国式や欧州式に内定していた国が日本方式に変更する姿が相次いだ。

日本方式がどう優れているのかなどの技術面は、たぶんググれば専門サイトが出てくるので置いといて……。地デジのメリットというか怖い面は、受信者の反応すべて把握できる可能性のあるシステムであること。例えば、受信者が録画をした場合など。録画うんぬんだけではたいしたことでないが、受信者の反応や動作を掌握できることは、政府など統治者としてかなり嬉しいシステムなのでないだろうか。どちらかというと、日本のような能天気な国よりも、米国情報機関の方が、導入したいシステムのようにも思える。国民1人1人がどういう番組を観ているかなどを把握できるなんて、CIAやNSAには嬉しいのでは。昨今のテロリスト捜索戦は、日常の思想や発言から探るわけだから。

能天気バグパイパーのカトケンが、地デジの監視機能について感じるには能天気なキッカケがあった。2013年、カトケンは自分が出演しているテレビ番組を録画したとき、デジタル方式で録画せず、放映画面をビデオカメラで撮影する方法で録画した。このようにしないと、著作権保護機能のついた我が家のパソコンではDVDに移すことができないからだ。で、DVDには無事に移せたのだが、これの自分出演部分だけ切り取ってをユーチューブにアップすると、数秒後に「この映像は、テレビ東京が著作権を持っているコンテンツですのでアップできません」という表示が出た

これを体験してから、地デジの全世界把握能力を感じた次第である。アップできなかったことはよいとして、個人のアクションを数秒で把握されてしまうシステム=地デジカトケンの小さな脳みそで考えつくことよりはるかに大きなスケールで、しかも少々の誤差を含めたアナログ判断もした上での正確な把握力をもってる。地上デジタル方式は、人民を監視し把握できる、そういう覚悟をもって今後の21世紀を生きてゆく必要のあることを(画面をカメラで撮影した劣化映像なのに、システムが瞬時に正しい判断をしたこともカトケンは敗北感なのだよ)。

これほどの全人民デジタル監視把握を求めてる国はどこか。まずは米国だろう。そして、中国やロシアだって可能ならやりたいのでは? そこに、日本方式地デジのビッグすぎる世界制覇ビジネスチャンスを感じているのでした。米国方式は、北米大陸のみでしか採用決定されていず、あまりやる気なさそうだ。実は、米国政府は、日本方式を欲しいんでないかい?

もし、米国などの大国が地デジ採用して人民の監視を開始したとしたら、そのデータは、日本の総務省の手にも残るということ? これって、地デジの機材や権利を売ってビジネス的に儲かるよ、というレベルのものでないぞよ。えっ、世界人類の個人情報を持っていても、日本政府じゃ、それを有効に使う脳がないってか。まあ、そういう脳がない国が持ってるのが安心でしょ。え、脳がな
いから危ないって? たしかに、日本のゲーム機が、テロリストの秘密連絡手段に使われたりな時代なわけだし。

image by: Shutterstock

 

異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまで

著者/加藤健二郎
建設技術者→軍事戦争→バグパイプ奏者、と転身してきてる加藤健二郎の多種多様人脈から飛び出すトーク内容は、発想の転換や新案の役に立てるか。
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