アメリカ人は「I love you」を乱用しすぎ!と各国から批判

2016.02.19
by erihiro(まぐまぐ編集部)
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アメリカ人は「I love you」を言いすぎるー。確かにアメリカの映画やドラマなどでよく耳にする“I love you”ですが、恋人、友人、家族から、はたまた寿司やペットにだって使っているのです。一方で「I love you」を全く言わない文化というものもあります。そんなアメリカに、各国から批判の声が多く挙がっているようです。

ペットや寿司にまで使う“Love”の定義

米情報サイトAtlanticでは、「アメリカ人は“I love you”を言いすぎる?」という見出しで、寿司に、フットボールに、ベンジャミンフランクリンに対しても使う、アメリカ人の“I love you”(愛している)という言葉に対する価値観について説明しています。

アメリカでは “愛している”は高貴な言葉でもあり、価値の低い言葉にもなりえます。

愛を表現するということになると、アメリカ人は見境なくこのI love youを多用するとのこと。

2014年に中国の研究者が発表した研究によると、米国では“I love you”の使用が日常的な現象になってきたという報告がされています。

ペットやフェイスブックの友人に対して、あるいは電話を終えるときに謝る際など、さまざまな場面で使われているのです。

また、アメリカ人とアメリカで勉強する留学生をオンライン調査した2006年の研究では、アメリカ人の学生と比較して、留学生は恋人や親子のあいだで“I love you”という言葉を頻繁には使わないことがわかりました。

英語がネイティブではない言語の学生は、母国語よりも英語で“I love you”を使うとのことです。

心地よい愛情表現は文化によって大違い

先述した2006年の同研究では、異文化によって“I love you”の使い方や受け止め方が違うことが指摘されています。

【中国系アメリカ人の場合】

「私が帰宅すると、父はキッチンで私の食べたいものを作ってくれます。父がしてくれるのは、とても感動的で嬉しいことです。愛を口頭で表現しなくても伝わってきます。中国では、男性が家族の大黒柱です。女性は父親、夫、息子に従います。したがって、男性はとても支配的になります。男性の権力を示すために、彼らは“I love you”をそう簡単には言いません。なぜなら感情的だと思われるからです

【シリア系アメリカ人の場合】

「他の文化では“I love you”はもっと真剣で約束の言葉です。中東の女性はこの言葉を男性から聞くと、結婚を想像しますよ

【ポーランド人の女性の場合】

「親や妹に“I love you”といったら、彼らは心地よくないと思います。言葉に出して言わなくても、愛しているということはわかっています。言葉に出して言うのは夫や妻にだけですね。私は息子にこの言葉を言います。息子はここアメリカで生まれたので、英語で愛しているというのは私にとっても、彼にとっても言いやすいのです。ポーランド語ではいいづらいのですが

【ハンガリー出身の女性の場合】

「“I love you”ということは、自分をコントロールできずに感情を爆発させる人の弱さを表します。私のパートナーはアメリカ人ですが、彼の私に対する愛を言葉や言葉以外で頻繁に表します。彼は私のリアクションのなさに傷つきます。それが彼に取って重要なことであるということを理解するまで4年かかりました。彼に言わせて、私もそれに答えるようにしています。英語は私の言語ではないので、“I love you”ということはなんの意味もないんです。ハンガリー語では、絶対誰にも言いません。最近では状況が変わりつつあります。きっと30年間たったら、テレビでは“I love you”しか聞こえなくなるんじゃないかなと思います。米国に留学してからというもの、父はメッセージを送ってくるのですが、文の終わりに“I love you”を入れてきます。母も同様に。これは私の家族にとっては革命的なこと

人種や文化によって、 “I love you”というものに対する捉え方がこれだけ違う、ということがわかりましたが、この背景には米国の文化人類学者エドワード・ホールが提唱した「高文脈文化」と「低文脈文化の影響があるようです。

高文脈文化のコミュニケーションでは、“実際に言葉として表現された内容より、言葉にしていないのに相手に理解される内容のほうが豊かな伝達方式である”という考え方であり、低文脈文化のコミュニケーションでは “言葉に表現された内容のみが情報としての意味を持ち、言葉にしていない内容は伝わらないとされる”ようです(Wikipediaより)。

ちなみに、日本語は高文脈文化に属します

2010年の研究では、米国における愛の宣言の広がりは感情的な寛容さと結びついており、この傾向は最近になってからで、1960年代のラブフェストや、フェミズム運動の影響もあるかもしれないということです。

各国から批判の嵐

これについて、ネットユーザーからは、さまざまな反応がでています。 

「ヨーロッパでは、アメリカ人はいつでも笑顔過ぎる、と思っているよ」

「イギリス出身なんだけど、友達が電話の最後に“愛してる”っていってくるんだけど、寒気を覚えるよ」

「テレビの番組や映画で登場人物が“I love you”を子供、親、恋人、妻、夫、友人にいつでも言っているんだけど、とてもゾッとしちゃうよ。言葉ではなく、行動で示せって思うんだよね。本当に誰かを愛してるなら、彼らはその言葉を聞かなくても感じるもんだよ。私は親にそんな馬鹿げたハリウッドのクソみたいなことは言わないよ。ほとんどのアメリカ人は“I love you”を使いすぎて、その言葉を殺したも同然だよ」

「僕らイタリア人だって同じ意味の言葉をイタリア語では言わないよ、アメリカ人ほどにはね。アメリカには“愛のインフレ”があるんだ。本当に心から愛していると言ってるのかって思っちゃうよ。これよりもウザいのが、知らない人からの“How are you today?”っていう挨拶。別にご機嫌いかが?なんて思っていないのに、彼らはとにかく言うんだよね」 

「その“愛のインフレ”って最高だね! 言葉は多いが、意味がない」

「確かにアメリカでは使い過ぎだよね。偽善的というか信用できないよね」

このように、各国からアメリカ人に対しての不満の声が大集合。

世界の人たちがこのように感じていたなんて、意外でした。

日本も「愛してる」を言わない国だとは思いますが、ハンガリーほどではないような気もします。

みなさんは「愛してる」と言っていますか? 

Image by: Shutterstock

Source by: Atlantic

文/MAG2 NEWS編集部

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