絶対に許さない。ペットを死なせた相手に法律で復讐する方法

shutterstock_386549830
 

可愛がっているペットが誰かの暴力によって殺されてしまう…。考えただけでも恐ろしいことですが、決して他人事とは思わないでください。ペットにもしものことが起こったときの備えとして、メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』で、しっかりとした法律の知識を身につけておきましょう。

ペットに暴力をふるった彼氏を裁く方法はありますか?

相談

ペットの犬が同棲相手の暴力により亡くなりました。相手の方は感情のコントロールが出来ずカッとなると暴力的な行動をする性質がありました。

私の留守中に犬が彼から逃げ狭いところに入り込んだのを見てイラっとし、必要以上の力でそこから引きずり出したと彼から告白されました。結果犬は数ヶ所骨折、内臓損傷から1週間の入院の後亡くなりました。

原因が無理矢理引きずり出したことであることは彼本人も獣医の方も認めています。入院、葬儀にかかった費用は彼が全て払いました。

しかし私としてはこれで終わりなのかという気持ちがあります。何か法的に彼を裁く方法はないのでしょうか。 (30代:女性)

回答

ペットに対して暴力を振るわれ、その結果ペットが亡くなってしまった場合、刑事民事の両方での対応が考えられます。そのため、いずれについてもご回答差し上げます。

まず、刑事については、器物損壊罪刑法261条が成立し得ます。ショッキングかもしれませんが、刑法上、ペットは物として扱われてしまいます。その「他人の物を損壊し、又は傷害した」場合に罪が成立します。

今回の事例では、力づくで引きずり出した結果、ペットが骨折などの怪我を負い、最終的に亡くなってしまったわけですから器物損壊罪が成立するものと考えます。罪に問いたいということであれば、警察に対して被害届を提出し、捜査を促すという方法がありえます。

次に、民事については、不法行為に基づく損害賠償請求民法709条が可能であると考えます。これは、他人からの権利侵害に対して、その権利侵害から被った損害について賠償請求を行う法的な仕組みです。

今回のケースであれば、ご相談者様の所有されているペット(権利)を傷つけ、結果的に死なせてしまったことについての賠償請求となります。

賠償金額の項目としては、治療費や葬儀代ペット自体の価値、ペットを失ったことに対する慰謝料などが挙げられると思われます。

このうち、入院治療費や葬儀費用などは相手方から支払いを受けているようですので、それ以外の項目については、なお請求可能ではないかと考えられます。

こちらについては、相手方に対しての直接の請求も可能ですし、拒絶された場合は、弁護士などの専門家に依頼した上で、訴訟手続きなどを活用する方法もあります。

[関連情報]:ペットの犬が暴力を受けて入院。損害賠償請求できる?

image by: Shutterstock

print
いま読まれてます

 

知らなきゃ損する面白法律講座
わかりやすくて役に立つ弁護士監修の法律講座を無料で配信中。誌上では無料で法律相談も受け付けられます。
<<登録はこちら>>

  • 絶対に許さない。ペットを死なせた相手に法律で復讐する方法
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け