あなたのマンションも狙われている。民泊カギ受け渡しの巧妙な手口

 

ただし、オートロックのマンションでは、メールボックスの投函口はセキュリティの外でも、取りだし口は、セキュリティ内というものの方が多いです。すなわち、エントランスを突破できなければ、メールボックスの取り出し口に到達できないのです。

その場合でも、メールボックスの裏側の投函口は、たいてい、郵便配達の人が投函できるように、外から入れるようになっています。投函口は郵便が入るぐらいの隙間なので、そこから手を中に入れて中のものを取り出すことはできませんが、鍵に糸をつけて、その糸を取り出し口の外まで伸ばして固定しておいてゲストはその糸を手繰って鍵を入手するという方法をとっている場合もあるといいます。なんだか綱渡りのようなやり方ですね。ですから、メールボックス付近であやしい行動をとっている人がいたらそれも、「民泊を疑え」です。

最近は、もっと進んで、ドアの内側のサムターンにとりつけることで、スマホからの信号でドアを開けることができるスマートロックなるものも出てきています。これは、貸会議室等で、鍵の引き渡しがいらないということで紹介されていて、これ、管理組合でも集会室等の鍵の管理にいいかも…と思っていたら、今は、民泊対応商品として大々的に宣伝されています。いろいろなところに民泊ビジネスが広がって留まる気配がありません。

ある方の体験では、部屋は施錠されておらず、部屋の中のテーブルに鍵が置いてあったといいます。鍵の受け渡しがうまくいかなかいことが一番トラブルになりますから、それを避けるための究極の方法とも言えます。考えてみると、中にゲストがいない場合は、そこに貴重品もないので、割り切っているのでしょう。

オートロックのエントランス突破、鍵の引き渡しについては、民泊の肝ですから、これからも様々な商品やシステムが出てきて、管理組合との攻防が続きそうです。近くのコンビニでスマホの中のQRコード示して受けとれるなんてサービス始まりそう…と瞬間思いました。

書いていて、なんか、そこまでして民泊に泊りたいかな~と思っちゃいました。しかし、民泊はとまらないと思います。民泊を防ぎたいと思ったら、相手の手の内を知って、次々出てくる手に対応していかなければなりません。

image by: Shutterstock

 

まんしょんオタクのマンションこぼれ話
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