絶望の二択。トランプよりルビオがマシだというのは本当か?

 

ルビオは「戦争候補」である

米ケイトー研究所の上級フェロー=ダグ・バンドウは3月8日付のジャパン・タイムズで「マルコ・ルビオは共和党の戦争候補である」という一文を寄稿している。

共和党主流派はトランプ阻止のためにルビオへの一本化を策しているが、ルビオの外交政策は恐るべきもので、「もしあなたが、さらにばかばかしく、犠牲が大きく、しかも不必要な戦争を求めるのなら、ルビオに投票するがいい」と書いている。

トランプの言動は粗暴で誇張に満ちているが、外交についてはかなり正しい。彼は、イラク侵攻は破滅的な結果をもたらしたという認識を持っているし、リビア紛争への介入には反対したし、シリア内戦への関与を批判しているし、ロシアとの軍事対決にも反対している。

彼はまた、米国がなぜ欧州、日本、韓国のような豊かな同盟国をいつまでも支援し続けなければならないのか、ペンタゴンは外国人のための福祉機関ではないだろうと言っている。

それとは対照的に、ルビオは、本物のネオコン信者で、イデオロギー的幻想に囚われて、新たな戦争をやろうとしている。彼は、イラク戦争は成功だったという立場だし、リビア内戦にはもっと早く介入すべきだったし、シリアに関してはアサド政権とISの両方を倒すべきだという主張である。また東欧諸国にはもっと軍事援助をすべきだとも言っている。

さらに悪いことに、彼はウクライナをNATOに加入させようとしているが、怒れる隣国ロシアをそんな風に刺激することほど危険なことはない。

トランプは無責任極まりないけれども、ルビオはもっと危険だ……。

ルビオが大統領になれば、間違いなくネオコンと共和党タカ派とイスラエル・リビーの連合軍が衰弱したアメリカ帝国を操って世界を破滅させる。だからと言ってトランプなら少しはマシだと期待すべきなのか。絶望的な共和党の現状と言える。

image by: Joseph Sohm / Shutterstock.com

 

高野孟のTHE JOURNAL』より一部抜粋
著者/高野孟(ジャーナリスト)
早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。
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