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香港は大赤字。中国人は上海ディズニーランドに「夢」を見るのか?

6月のオープンを控え、先日チケットの販売も始まった上海ディズニーランド。中国本土に初お目見えする「夢の国」ですが、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、「超個人主義で人間不信の中国人にディズニーの感動的な世界観が理解できるのか」と疑問を投げかけています。

【中国】中国人は上海ディズニーランドでどんな「夢」を見るのか

高速道路でトラック荷台の生簀が爆裂 飛び散る魚を見て、後続車が次々に急ブレーキ、中から飛び出て「いただこう! それっ!!」=中国

中国は間違いや過失を犯した人、あるいは事故や天災による被害を受けた人ですら、他人から最大限叩かれたり、利用される社会です。

今年3月24日、湖北省襄陽市で、漁民がいけすをトラックに乗せて高速道路を走っていたところ、そのいけすが破裂して高速道路上に魚が散乱。後続の車が次々と停止したのですが、それは落下物をよけるためではなく、散乱した魚を拾い集めて持って帰るため。傍らで「やめてくれ」と懇願し、ついには泣き出してしまった漁民には目もくれず、みんな喜々として思わぬ獲物を持ち帰ったそうです。

湖北省といえば省都は武漢、辛亥革命が最初に起こった地でもあります。交通の要所であり3500年という長い歴史と文化を持つ地域ですが、民度の涵養にはまったく資することがなかったことがわかります。

事故や天災において人命救助よりもその「おこぼれ」を我先に奪い合うのが漢民族(華人)の風習となっているのは、それが「天からの恵み」だと考えられているからです。ですから誰かの悲劇を喜ぶことが数千年の伝統となっているのです。

だから、他人の不幸は最大限利用するというのが、中国人の考えなのです。日本人はこのことを理解していないために、中国へ進出したり、あるいは日本で中国人を雇ったりした場合、後で泣きを見ることも多いのです。

ご存じの方も多いと思いますが、同様の事件は、中国では各地で起こっています。3月28日には江西省の高速道路で、家電製品を積んだトレーラーが炎上しましたが、このときも周辺住民が殺到し、積み荷を盗んでいきました。しかも駆けつけた消防隊に対して、「水をかけるな、家電製品が使えなくなる」と抗議したといいますから、盗っ人猛々しいにもほどがあります。

トラック火災、積み荷は家電 周辺住民現場につめかけ「いただけ、それっ!」、消防士に「水かけるな! 使えなくなる」と怒鳴って消火を阻止=中国

今年の1月には雲南省昆明市の高速道路でトラックが横転し、積み荷のみかん30トンが散乱、またまた近隣住民が殺到して、その多くをかき集めて持ち帰ってしまったそうです。

トラック横転、ミカンが散乱 冬の朝日を浴びて輝く30トン、近隣住民すかさず押し寄せ「さずかろう! それっ!」

これは海難事故でも同様です。漁民は沈没船から人を救助するどころか、漂流物を「天からの贈り物」として争って奪い合うというのが、普通に行われているのです。日本では1890年に日本近海でトルコの軍艦エルトゥールル号が座礁した際に、付近の村民が遭難者を必死に救い出して介抱した故事が有名ですが、こういうことは中国ではまずありえないことなのです。

実に中国で生活するということは、常に緊張を強いられることでもあります。少しの事故や過失が命取りになってしまう可能性があるのですから、この国で超個人主義や拝金主義、権謀術数が発達するのも当然のことですし、やめることもできないのです。「人民に奉仕する」など、腐敗にまみれた中国共産党幹部には無縁のことであり、それは一般人民にとっても同じことです。

一方、日本人の民度の高さは中国人と比べるべくもありませんが、これは遠く魏志倭人伝にも「婦人淫(いん)せず、妬忌(とき)せず、盗竊(とうせつ)せず、諍訟(そうしょう)少なし」(夫人は貞淑でみだりに嫉妬したりせず、また盗みや争いごとも少なかった)と特筆されていることから、古代より日本人と中国人の性格はまったく異なっていたことがわかります。言うまでもなく、中国は春秋戦国時代から戦乱続きで、時代が下がるにつれ社会の混乱による人間不信が高進し、現在に至っています。

そんな中国の上海にディズニーランドが6月にオープンします。すでに初日のチケットは完売状態で、ネット上では早くも7倍以上の値段で転売されているようですが、本当に大丈夫なのでしょうか。

上海ディズニーランドのチケット発売開始、瞬時に完売=ホテルは予約困難―中国

約10年前に香港にディズニーランドができた際には、大陸から中国人が殺到し、園内を上半身ハダカで歩いたり、ベンチで横になったり、外で子供におしっこさせたり、歩きタバコをしたりといった非文明的な姿が話題になりました。入場者数制限に怒った中国人が柵を乗り越えて園内に雪崩れ込むといったことも報じられていましたが、同じようなことが上海でも起こるのではないでしょうか。

中国新幹線が開通した時には、車内のトイレットペーパーやセンサー式蛇口まで備品が次々と持ち去られたことが報じられましたが、こうしたことにも警戒を怠らないようにしなければならないのですから、大変です。

しかも「感動」の背景には、他者への愛や信頼、自己犠牲などが付きものですが、超個人主義で人間不信の中国人にディズニーの世界が理解できるのか、はなはだ疑問です。国からして、共産党一党独裁で人民を信用せず、民意を問うシステムすらない国なのですから。

中国共産党が一党独裁を続ける国で、「人類普遍の価値」や「人類の夢」を人民が本当に共有できるのかといえば、まず無理なのではないでしょうか。

2002年の湖南水害において、北京の党高級幹部600人の寄付金の合計額は、同じく北京にある民間会社の社長の寄付金の6分の1しかありませんでした。小中学校の再建のために、北京の200万党員のうち高級幹部60万人が寄付した額は1人あたりたった10元150円)しかなく、香港のテレビ会社社長1人が行った3,300万元の寄付の足元にも及びませんでした。国の中枢にいる幹部たちであっても、いかに相互扶助の精神に欠如しているかがわかります。

ところで香港ディズニーランドは昨年、中国人客が大幅に減ったことで、21億円を超える赤字に転落しました。2005年の開園から数年間は赤字でしたが、大陸からの観光客が増えたことでここ最近はようやく黒字に転化していたところに、昨年は大陸客が23%も減少したそうです。

香港ディズニー、大陸客23%減が「致命傷」 21億円超の赤字に転落

上海ディズニーランドが開園すれば、さらに落ち込むことが見込まれています。ただ、「非文明的」な中国人観光客が減ることは、香港にとってはいいことかもしれません。中国でも「これで香港人に迷惑をかけなくてすむ」という声があるそうです。とはいえ、すでに偽グッズや非公認で「ディズニーホテル」を名乗るホテルが出てきたりしているところは、やはり中国らしいといえるでしょう。

上海ディズニーランド、オープン日が決定 「もう香港人に迷惑をかけなくて済む」と中国ネット民

習近平主席は「中華の偉大なる復興」をスローガンに掲げていますが、もともと他人の不幸を楽しみ利用するのが中国人の民族性なのですから、そのような中国人がますます増えて勢いづいたら、世界はどういうことになってしまうのでしょうか。

東京ディズニーランドにしても、いまや中国人観光客がごった返していますが、上海ディズニーランドができれば、だいぶ減るのではないでしょうか。そういう意味で上海ディズニーランドは、中国人を中国国内に封じ込めるための方策なのかもしれません。外貨流出を防ぎ、さらには中国人の恥や迷惑行為を海外に出さないための施設だと思えば、納得もできます。

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image by: Hung Chung Chih / Shutterstock.com

 

黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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