父の日に何を送ろう。大きかった父の背中を思い出す絵本セレクション

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ちょっと先の話ですが、6月21日は父の日。無料メルマガ『大人のための絵本ガイド』では今回、「父親の存在感を感じさせてくれる絵本」を特集していますので、ページを繰りつつお父さんへの感謝の気持ちを新たにし、プレゼントを決めてみてはいかがでしょうか。

お父さんの存在が大きな3冊のお勧め絵本

今年の「父の日」は6月21日です。プレゼントを贈る予定のある人も、ない人も、とりあえず「父」への関心が高まる時期ですね。というわけで、今回は父親がらみの絵本を3冊、ご紹介します。

1

月夜のみみずく
(ジェイン・ヨーレン・作/ジョン・ショーエンヘール・絵/工藤直子・訳)

少女が父親に連れられて、森にミミズクを探しに行きます。季節は冬で、雪に覆われた大地が月に照らされて明るく輝いています。「ほうーほう ほ・ほ・ほ ほーーーう」とミミズクに呼びかける父親と共に、少女は森の奥へと歩いていきます。

ミミズクは、なかなか現れません。「氷の手が せなかを ぴたぴたなでているみたい」な寒さです。やがて、雪に覆われた広い空き地に出ました。そのとき、父親の耳が何かの物音をとらえます……。

少女にとって、ミミズクを探しに行くのは今回が初めて。緊張しながらも、経験豊かな父親のおかげでかけがえのない体験を得ます。

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ヴァイオリニスト
(ガブリエル・バンサン・作/今江祥智・訳)

モノクロのデッサンが「主役」の絵本です。テキストの量は最小限にとどめられているので、読者はしっかり絵を堪能できます。小説では味わえない、絵本ならではの楽しみに満ちた作品です。

とはいえ、ストーリーは楽しいものではありません。一流のヴァイオリニストになることを父親に求められながら、その期待を裏切り続ける青年の苦悩を描いた作品です。その青年の傷ついた心を癒やすのは、彼が家でヴァイオリンを弾く様子を窓越しに見つめる少年でした……。静かな感動が余韻として残ります。

3

きっとみずのそば
(石津ちひろ・文/荒井良二・絵)

シリアスな作品を2作とりあげたので、最後はとびきり楽しい作品をご紹介します。ヘタウマ系のかわいい絵と鮮やかな色使いが気持ちを明るくしてくれます。

主人公の男の子のペットの鳥がある日、いなくなってしまいました。男の子が涙ぐんでいると、パパが一緒に探しに行こうと言ってくれました。2人はアマゾン川、北極、アフリカなど世界中を旅することに……。いろいろ楽しい物がこれでもかとばかりに詰まったオモチャ箱のような絵本です。

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4

In Mary’s Garden(仮題:メアリーの庭で)
(Tina and Carson Kugler・作)

主人公は実在したアーティスト、メアリー・ノール(1914~2001年)です。メアリーは子どものころから、木工が好きでした。お父さんがミシガン湖畔に家を建てるときに手伝ったりもしました。手を動かして物を作るのが何より好きでした。

成長して1人で旅行に行けるようになると、メアリーは世界中を見て回るようになります。興味をかきたてられた物をすべてスケッチブックに描きました。

メアリーは、セメントなどを材料に彫刻を手がけるようになりました。やがて、ミシガン湖畔の家の庭は動物や不思議なオブジェでいっぱいになり……。

挿絵は水彩でやさしい雰囲気です。その一方、世界に残る民族色豊かな芸術作品がコラージュで挿絵に配置されており、アーティストとしてのメアリーの感性をはぐくんだものが視覚的に伝わってきます。

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