「パナマ文書」に世界で最も怯える中国、最高指導部の半分以上に汚職疑惑

 

パナマ文書については、世界各国の大統領の名前が登場し、世界中を震撼させています。一部を挙げると、ロシアのプーチン大統領、イギリスのキャメロン首相、ウクライナのポロシェンコ大統領、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領などのほか、ジャッキーチェンやスペインのサッカー選手メッシなどの著名人の名前も挙がっています。

フランスやメキシコなどは、この文書を受けて該当機関の調査に乗り出し、アルゼンチンでは大統領に捜査の手が伸びています。また、それまでも不正蓄財が疑われていたアイスランドのグンロイグソン首相は、これがダメ押しとなって辞任に追い込まれました

辞任のアイスランド首相、巨額私財隠しの疑い

流出もとは、中米パナマにある法律事務所です。この法律事務所はハッキング被害にあって情報が流出したと、被害者ぶっているようですが、それ以前にやっていることが合法なのか非合法なのかを考えたほうがいいでしょう。

「パナマ文書」何を明らかに

一方、アメリカ要人の名前が上がっていないことから、この文書流出はアメリカが仕掛けたものだという説もあります。たしかに現在のところ、アメリカにとっては各国に対して優位に立つことができる、非常に都合のいい文書だといえるでしょう。

パナマ文書の流出によって、イギリスのキャメロン首相も父親がパナマで開設したファンドに投資して利益を得ていたということが判明し、さらに母親からも20万ポンドの贈与を受けていたことが明らかになると、ロンドンでは1,000人以上の市民が辞任を求めるデモを行いました。キャメロン首相の人気は急落しています。

6月にはイギリスがEUから離脱するかどうかを問う国民投票が行われますが、EU残留派であるキャメロン首相への反発が広がり、EU離脱気運が高まる可能性があります。また、キャメロン首相が失脚し、政権交代ということになれば、中国も大きなダメージを食らうことになるはずです。というのも、キャメロン政権は中国の後ろ盾となってAIIBへの参加を真っ先に表明したり、人民元をIMFのSDR構成通貨に入れることを後押ししてきたからです。

昨年10月に習近平がイギリスを訪問した際のキャメロン首相の歓待ぶりには、イギリス国内からも批判が相次ぎました。とくに中国の鉄鋼ダンピングに対して、イギリスの鉄鋼業界は強い不満を表明しており、習近平の訪英中にも強い批判が起きていました。

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