アメリカ、驚愕の本音
日本を代表するリアリスト伊藤貫先生は、『中国の「核」が世界を制す』という名著を出されています(伊藤先生は、核保有派ですが、私は心から尊敬しています)。この名著の中に、ペンタゴンの日本部長ポール・ジアラさんと1994年に会った時の会話がでてきます。仰天の内容ですので、皆さん、ゆっくり熟読してください。ジアラさん曰く、
クリントン政権の対日政策の基礎は、日本封じ込め政策だ。
1990年にブッシュ政権は対日政策のコンセプトを大きく修正し、「日本を封じ込める」ことを、米国のアジア政策の基盤とすることを決定した。
クリントン政権も同じ考えだ。クリントン政権のアジア政策は米中関係を最重要視するものであり、日米同盟は、日本に独立した外交、国防政策を行う能力を与えないことを主要な任務として運用されている。
(以上 p200)
ちなみに当時から北朝鮮の「核問題」はあったのですね。これについてジアラ日本部長(当時)は、どういう見解だったのでしょうか?
現在、北朝鮮の核開発が問題となっているが、たとえ今後、北朝鮮が核兵器を所有することになっても、アメリカ政府は、日本が自主的核抑止能力を獲得することを許さない。
東アジア地域において、日本だけは核抑止力を所有できない状態にとどめておくことが、アメリカ政府の対日方針だ。この方針は米民主党だけでなく、共和党政権も賛成してきた施策だ。
(同上)
どうですか、これ? 20年前からアメリカは、「北朝鮮が核兵器を保有しても、日本に核武装はさせない」と決めていた。
アメリカは、日本の核武装を警戒し始めた?
「とはいえ、20年も経てば状況も変わるのではないですか? アメリカも、『核武装容認』の方にふれているのでは?」
こういう意見も出るでしょう。興味深い情報があります。アメリカが日本から核物質を持ち出し始めているのです。産経ニュース3月21日から。
プルトニウム輸送船が到着 東海村から米国へ返還、21日にも出航
核物質の管理強化を進めるオバマ米政権の方針に沿って日本が米国への返還に合意した研究用プルトニウムなどの核物質を運ぶとみられる英国の輸送船が21日朝、茨城県東海村の港に到着した。
日本原子力研究開発機構(原子力機構)の施設に保管されていた核物質を積み込み、同日にも米国に向け出航する見通し。
プルトニウムは331キロで原爆40~50発分に相当。冷戦期に英米仏が日本に提供し、高速炉の実験に使われた。
米国の核監視団体によると、これほどの量のプルトニウムが海上輸送されるのは1993年にあかつき丸が約1トンをフランスから日本に運んで以来となる。
今年は、年初から北朝鮮が「水爆」実験したり、ミサイルぶっ放したりして騒がしいですね。それでアメリカは、「日本は核武装するのではないか?」と恐れ始めている。今回の「プルトニウム回収」は、「核武装は許しませんよ!」というシグナルだというのです。