親日派のケント・ギルバートさんでも
190か国が加盟するNPTから脱退し、日本が核武装に突き進む。すると、アメリカは黙認せず、欧州、ロシア、中国を巻き込んで「日本つぶし」を主導する可能性があります。「核武装しても、アメリカは日本の同盟国」などと甘い見通しは持たない方がいい。
日ロ戦争時、日本は当時の覇権国家イギリスと「日英同盟」を結んでいました。イギリスは、日本の勝利に大いに貢献してくれたのです。そして、第1次大戦が起こった。イギリスは、同盟国日本に「陸軍を欧州に派兵してくれ!」と懇願します。しかし、日本は(海軍は出したが)この要求を一蹴したのです。結果、イギリスは日英同盟の意味を見いだせなくなり、1923年破棄しました。
その後、同盟国でなくなったイギリスは、「遠くから日本を暖かく見守った」のではありません。アメリカと組んで、日本つぶしに動いたのです。
今の同盟国アメリカだって同じことです。コントロール不能になった日本を、中国やロシアと組んで潰さない保証がどこにあるでしょうか? 中国は、「思いがけず反日統一共同戦線戦略が成就した」と大喜びすることでしょう。
さて、「アメリカは日本についてどう思っているのだろう?」。このことについて最近興味深い動画を見ました。「日本を守る3大アメリカ人」といえば、
- テキサス親父さん
- マイケル・ヨンさん
そして、
- ケント・ギルバートさん
でしょう。そのケント・ギルバートさんが、「龍馬プロジェクト」の神谷先生と対談した。神谷先生が「日本核武装の可能性」について質問したところ、ケントさんは、「絶対反対」なリアクションでした。ケントさんは、「韓国と日本が核兵器を持つことは、アメリカが許しません」と断言。その心は、「アメリカが持ってるんだから、いらない」そうです。
さらに、「核兵器保有国は、あらたに核兵器を持とうとする国を許しません。これ鉄則です!」。つまり、日本が核保有しようとすれば、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国が一体化して叩きつぶすということです。ケントさんは、日本が対中国で核保有すれば、「より不安定になる」とおっしゃっています。
今回の話は、トランプさんにそそのかされて、日本が核武装に突き進めば、「全世界を敵にして破滅する可能性が高い」という話でした。
image by: Joseph Sohm / Shutterstock.com
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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