【復興への道のり】岩手・石巻水産の挑戦 ~缶闘記 その2~東北まぐアーカイブ

2011.08.11
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by よっすぃ~♪(まぐまぐ編集部)
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復興へのみちのり ~缶闘記 その2~

被災した水産業者が次々と廃業を決める中、老舗缶詰めメーカーが果敢にも会社の再建にのり出した。ふたたび人の行き交う街を目指して、復興へあゆみ始めた被災地の街。木の屋石巻水産の挑戦を通して、その長いみちのりを追いかけてみる。(前回はこちら

瓦礫とヘドロの下に埋もれていた、数十万個の缶詰

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洗いたての缶詰を販売する鈴木さん(撮影/須田泰成

3月下旬。東京世田谷区の経堂に、石巻へ向かう支援物資を満載した2台の車が並んでいた。運転手は、木の屋石巻水産の松友さんと鈴木さん。この時、顧客である飲食店オーナーが「残っている缶詰めがあったら、東京に持ち帰って欲しい。うちで売るから」と2人に声をかけた。「泥をかぶってるので」と言いよどむと「洗えば何とかなるよ」という力強い声が返ってきた。

津波にのまれた倉庫は瓦礫に埋もれ、まともな状態の商品などひとつも残っていない。半信半疑のまま、2人は救援物資を運んだ帰りの荷台に掘り起した缶詰めを載せて、東京に戻って来た。飲食店オーナーの呼びかけで経堂の有志の飲食店が中心となり、持ち帰った缶詰を洗浄し販売してくれた。反応は好評で、まとめ買いするお客さんも多数。「私もお役に立ちたいわ」と、缶洗いに加わってくれる人も現れ、5日間で600缶が完売となった。

この結果を聞いた石巻の社員の間に、驚きの声とともに希望の火が灯った。「お客さんが待っている」、「残った缶詰めを現金化できれば、次につながるのでは」。この瞬間、それまでの”無理かもしれない”というあきらめムードは一気に吹き飛んだ。
つづく(2/3回)

木の屋石巻水産

※記事初出:『東北まぐ1号』(2011年8月配信)
 2011年8月の配信開始以来、震災以降の東北に生きる人たちの生の声を、毎月11日にお届けしているオフィシャルメールマガジン『東北まぐ』。当連載『東北まぐCLASSIC』では、過去に配信された『東北まぐ』にて掲載された記事を、そのままご紹介します。そのため、記事の内容が現在の状況と異なっている場合がありますが、その旨ご了承下さい。
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