三菱にクルマを作る意味はあるのか? 車のプロが語る不正報道のバカバカしさ

 

そして「ユーザーの信頼を損ねた」問題では、さらにモヤモヤが募る。

そりゃまあ、不正という点では逃れようのない裏切り行為に決まっているんだけど、ニュース番組でキャスターが色めき立つ「リッター当たり30キロが、実は28キロだったんです!」という数値が大問題だとするなら、そもそも国がやっているモード燃費はどうなんだと。

当のekワゴンのユーザーなら、この軽がリッター30キロはおろか、実際には20キロを割ることが日常であることはすでに承知の筈だろう。今回の不正値は5~10%とされるけれど、JC08モードは6掛け7掛けが当たり前の世界だ。

もちろん、こっちに違法性はまったくないけれど、だったら平気でこういうモード数値を国の基準にするのが正義なのかと言えば、それこそユーザーの信頼を損ねているのはどっちだという話だろう。

いや、だから三菱の不正が許されるというのではなく、これほど連日報道をするのであれば、少なくともモード燃費の問題点くらいは指摘しなさいよと。いまのバカバカしい燃費競争の一因がどこにあるのか、そのくらいの切込みがなくちゃ教訓にならないでしょうと思うわけである。

あ、ちなみに今回の件は日産側の指摘で判明したというけれど、このクルマは両社出資の合弁会社を中心に企画・製造しているのが建前なわけで、日産はまったく問題なしっていうのも妙な話ではある。

(すぎもとたかよし)

image by: FotograFFF / Shutterstock.com

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