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試験当日に使える。TOEIC初心者が覚えておくべき問題の解き方

皆さん、こんにちは。英語講師の竹中彩子です。外資系、国内メーカー勤務を経て、現在は通訳、翻訳をしながら英語の資格対策などの講師をしています。

今回は、そろそろTOEICに挑戦してみようかな、という方と一緒にTOEICの基本的な構成と、その対策方法の一部を見ていきたいと思います。

1. “できる問題”の見極め—知らない単語ばっかり…それでも正解は出ます!

 

実際の問題を見ると、難しいビジネス用語ばかりが目について「あ~こんなのムリだ~」なんて、最初からやる気をなくしてしまう人もいるかもしれません。
でもよく見てください。できる問題があるのに、見過ごしているだけではありませんか?ではさっそく、この問題にトライしてみてください。
ポイントは、知らない単語に惑わされないことです。

【問題】
The production manager would like to see the responsible engineer for the delivered equipment ____.

(A) practically
(B) immediately
(C) indefinitely
(D) persuasively

【訳】

製造部長は納品された機器の技術責任者に会いたがっている。

(A) 実用的に
(B) すぐに、ただちに
(C) 無期限に
(D) 説得力をもって

例えば、delivered equipmentあたりで、ん??となってしまっても、要は、「誰かが誰かに会いたがっている」ことが分かればいいんです。
He would like to see you.(彼はあなたに会いたがっている)と同じですね。
さらには、4つの選択肢の中のpractically, indefinitely, persuasivelyが分からなくても、(B)のimmediatelyは日常会話でもよく使われる「すぐに」という単語ですから、4つのうちコレだけは分かる!という方も多いのでは?
「誰かが誰かにすぐに会いたがっている」。これ以上ぴったりの選択肢があるでしょうか?というわけで、答えは(B)ですね。
難解な単語に惑わされなければ、コレだけで1ポイントGetできるのです!

2. 最初におさえておきたい頻出問題—「コーヒー」「砂糖」「ミルク」…これらに共通しているのは?

 

できる問題を見極めて、スピーディに解答するには、「キタッ!この問題!」といえる問題パターンをある程度準備しておかなければなりません。

まず、次の問題にトライしてみてください。

【問題】
His parents did not leave him ____ money.

(A) many
(B) much
(※実際は4択です)

【訳】
彼の両親は彼にあまり多くのお金を残さなかった。

TOEICの文法問題では、「可算名詞・不可算名詞の区別」を問う問題が頻繁に出題されます。数えられる名詞、数えられない名詞というアレですね。
ここでは、moneyは数えられない名詞ですから、不可算名詞を修飾できる(B)muchが正解となります。これがもし数えられる名詞、例えばpenだとしたら、muchではなくmany pensとなります。
ここでも、問題の全文を理解する必要はなく、極端にいえば”money”だけに注目すればいいわけです。「money」=「数えられない名詞」=「muchしか選べない!」2~3秒で正解が出てしまいました!
ちなみに「お金」は1ドル、2ドル、などと数えられますが、moneyという名詞は基本的に「数えられない名詞」に分類されるので、注意です!
せっかくなので、可算名詞と不可算名詞の代表的なものを、ちょっとだけ整理しておきましょう。

可算名詞と不可算名詞
■可算名詞■
<普通名詞> table, chair, book, pencil など
<集合名詞> family, class, people, team, club, group など
■不可算名詞■
<物質名詞> coffee, sugar, milk, money, air など
<抽象名詞> happiness, love, peace, joy など
<固有名詞> Tokyo, Tom, January など

こういった名詞の分類は日本語にはない概念ですから、イメージだけでもつかんでおくと便利ですね。

3.長文読解の必須テクニック-コツは設問から先に読むこと?どんな長文もグッとカンタンに!

 

長文読解のパートになると、一気に疲労モードが高まるものです。その理由はやはり、問題文の中に散りばめられているビジネス、工業英単語の数々…でしょうか?
見ただけで、もうムリ!なんて気持ちは解りますが、投げやりになるには早すぎますよ。そんな問題ばかりではありません。基本は、問題を見極めること!すべての問題になんとな~く答えていくのではなく、ねらった問題をバサバサと斬っていきましょう。
本文よりも設問から先にチェック!
このサンプル問題に挑戦してみてください。

【問題】
FOR RENT
Country cottage located on mountainside. Fireplace, attached sauna,
2 bedrooms. Coin washer and drier. Trout streams 30-minute walk.
Quiet place to relax. Available year-round. 30 day minimum.
Contact us now! (912) 944-7892

Q. What is NOT true about the mountainside property?

(A) You can go fly fishing.
(B) Laundry machine is located.
(C) You can take a sauna.
(D) You can only rent it for one month.

【訳】
賃貸物件
山腹のコテージ。暖炉、サウナ付き、寝室2部屋。コイン式洗濯機と乾燥機。
マス釣りのできる川まで徒歩30分。休養に適した静かな環境。1年中利用可。
最低30日。今すぐご連絡ください!(912)944-7892

Q.山腹の物件について正しくないものはどれですか。

(A)フライフィッシングができる。
(B)洗濯機がある。
(C)サウナを利用できる。
(D)1ヶ月間しか借りられない。

よくあるパターンで、賃貸物件の広告を扱った問題です。まず、設問から先に目を通すのは鉄則中の鉄則!

この設問の場合、NOTが強調されていて「物件について正しくないものはどれですか?」と聞いています。そうしたらすぐに(A)~(D)の選択肢に目を通し、本文を追いながら順に消去法で消していきましょう。

(A)フライフィッシング? ―マス釣りのできる川(Trout streams)がある
ので、できます→消去!
(B)洗濯機? ―コイン式洗濯機(Coin washer)があります→消去!
(C)サウナ? ―サウナもあります(attached sauna)→消去!
(D)1ヶ月しか借りられない? ―最低30日(30 day minimum)つまり30日
以上借りてほしいわけだから、これが正しくない!

ということで、(D)が正解でした。

設問も見ずに本文を上から順に読んでも、時間がムダに過ぎるばかりです!
どうせなら、設問に答えながら効率的に本文を追っていきましょう。

簡単そうな問題こそ気をつけて!

長文読解の場合、設問を先にチェックしたあとで、本文に解答を見つけに行けばよいのですが、このとき注意が必要です。例えば、

【問題】
(長文の一部)ABC Corporation has appointed former marketing director,
Mr. John M. Santos to the company’s new general manager.

1. What is Mr. John M. Santos’s new position?

(A) marketing director
(B) general manager.

【訳】
ABCコーポレーションは、前マーケティングディレクターのジョンMサントス氏を同社のゼネラルマネージャーに任命した。

1. ジョンMサントス氏の新しい役職は何ですか?

(A)マーケティングディレクター
(B)ゼネラルマネージャー

新しい役職名を問われているので、答えは単純に(B)となりますが、長い文章の中では思考が混乱してしまって、本文中のformer(前の)というキーワードをうっかり見逃してしまい、えーとポジションポジション(役職名)…これだ!と、適当に目についた役職名にとびついて間違った解答(A)を選んでしまう恐れがあります。
TOEICでは、役職名などを問う問題がよく出されますが、こういう簡単そうな問題こそ慎重にいきましょう!

4. 確認すべきは問題形式と時間配分—この順番で問題を解くのが、TOEIC高得点への近道です!

 

さて、最後に、TOEIC全体の構成を確認しておきましょう。

問題の形式は、リスニング100問(45分)、リーディング100問(75分)。
リーディングの内訳は、
- 文法力、語彙を問う短文穴埋め問題(40問)
- 長文穴埋め問題(12問)
- 長文読解(48問)

単純に問題数を制限時間で割っても分かるように、平均1問を1分で解答したとしても全然追いつきません。じっくり考えている時間はないのです。

リーディングパートでは、時間配分を考えるのと同時に、解答の順番も重要になります。

一般的にはページの順序どおり、語彙・文法をさっさと終わらせて、Part7の長文読解問題は最後に時間いっぱい取り組むのが妥当です。ただ、読解問題の中での順番は考えたいところ。

例えば、Part7では、single passage / double passage という2つのタイプの読解問題があります。
設問に対して文書が1つなのか、2つあるのかの違いです。

パッと見ると、情報量の多いdouble passageのほうを後回しにしたくなりますが、内容的にはこちらのほうが簡単な場合も多いので、先にうっとうしい(?)double passageを片付けてしまうのも効果的だと言えます。

さて、今回の特集はいかがでしたか?

TOEICスコアは、その人の実用的な、特にビジネスシーンにおける英語コミュニケーション能力を知るための非常に信頼性の高いデータであると一般的に認識されています。

外資系企業で働く場合はもちろんのこと、海外取引のある日本企業などでは、今は必ずと言ってよいほどTOEICスコアの提出を求められますね。

一般的に、企業が社員に求めるTOEICのスコアは500~550点以上。外資系や海外取引のある部署などでは、少なくとも700点以上は求められるのが普通です。

繰り返しになりますが、初級~中級の場合は、問題を解くスピードのコントロールが一番重要です。まずは得意なパートから見つけることから始めましょう。

今回の特集が少しでもお役に立てば幸いです。

竹中彩子(たけなかさいこ)プロフィール

外資系/国内メーカー勤務を経て、現在は通訳・翻訳などを行いながら中学・高校・英会話学校などで英語の資格対策の講師を行っている。

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