「妻とは別れる」で不倫した女性が、逆に慰謝料を請求されるリスク

 

そのときの女性も、私からの内容証明郵便に対して、そのような抗弁を内容とする返答を寄越した。では調停とするかというのが私のやり方であったが、これは、調停も裁判もやりたくないケースだった。

というのは、浮気の証拠写真は2人仲良く駅前の商店街をぶらつき、食事をして、そのまま男性が女性の家に泊まったというものであったが、その商店街は私の最寄り駅近く、それどころか女性の家は、当時私が住んでいたマンションの真ん前のアパートだった。偶然すぎる。世の中は狭い。調停や裁判になれば、必然的にその女性と顔を合わすことになる。お互い(というか私は女性の顔を知っているが)顔を見知った後、例えばマンションとアパートから出たところで鉢合わせなんて状況は、双方ともに気まずい。何とか私の顔を知られないように解決したかった。

依頼者にもそのように説明をし、他の弁護士を紹介することも考えたが、依頼者も承知してくれたので、幾度か手紙のやり取りをして、およそ1年もかかっただろうか、やっとの思いで解決をした。また、離婚も無事成立した。

その後、女性はそのアパートから引っ越しをしたようだが、男性と一緒になるためであったかどうかは分からない。もし女性と男性とが別れたとしたならばその女性も、そして当然ながらごく普通の結婚生活を送れるであろうと思っていたはずの依頼者も、双方にとって不幸なことである。

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