昼は事務員、夜はキャバ嬢。社員の「副業」バレたらクビになるのか?

 

会社が勝ちました。その解雇は有効と認められたのです。ここまでお話をすると「副業禁止→副業したから懲戒」で、何の問題も無いように感じる人も多いかも知れません。ただ、ここで注意が必要なのです。

それは、「副業した場合は懲戒処分にする」と規定を定めていても、必ずしもその懲戒処分が認められるわけではないからです。なぜなら、社員には「私生活の自由の権利があります。プライベートでなにをしようとそれは基本的には社員の自由なのです。

ではなぜ、この裁判で解雇が認められたかというと「アルバイトの労働時間が長かった」というのが一つの大きな理由です。その長時間のアルバイトにより疲労がたまり、会社への仕事に影響が出る可能性があるからです。

このように、副業による懲戒処分が認められるには、

  • 労務の提供や会社の運営に支障がでる
  • 会社の社会的信用を損なうおそれがある

などの実質的に弊害が発生するものに限られるのです。

例えば、この裁判例以外に懲戒処分が認められた例として

  • 競業他社の取締役を兼務した
  • 病気休業中に副業をした
  • 副業で同業の会社を設立した

などがあります。逆に、副業禁止の規定があっても懲戒処分が認められなかった例もあります。例えば「副業の頻度や時間が少ないため仕事に影響を与えるとは言えない」場合などです。さて、みなさんの会社はいかがでしょうか。

ただ、最近はあえて副業を認めている会社も増えてきています。それは、副業することで仕事に対する視野が広がり人脈も増えることで、本業にも良い効果があると考えられるようになってきたからです。

一律に「副業禁止」とするのではなく柔軟な対応を検討するのも会社にとっても社員にとっても良いかも知れませんね。

image by: Shutterstock

 

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企業での人事担当10年、現在は社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツをわかりやすくお伝えいたします。
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