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青春18きっぷ・夏の陣が開幕! JR以外に乗れる「例外措置区間」は?

今夏は7月20日から9月10日まで使用できる青春18きっぷですが、北陸新幹線開業と在来線の第3セクター化によって、今年から北陸エリアにJR以外の路線でも乗れる区間が、新たに設定されています。人気の鉄道メルマガ『Magazine de Station』では、そんな青春18きっぷにおける「例外措置区間」について、改めておさらい。この夏、北陸地方に旅行に行かれる予定の方は、念のためにチェックしてみてはいかがでしょうか。

青春18きっぷ・夏の陣

今年も遂に「青春18きっぷ・夏の陣」に突入しました!

この切符と言えば例年、「春」と「冬」も発売されるのですが「夏」が一番期限が長いからということで、当メルマガにおける「指南」もこの時期に行うことにしております。初めての方は「ちょっとした指南書」として、慣れている方も「復習」の意味合いでおつきあいください。

この切符はあくまでも原則として乗れるのはJRの、しかも普通列車や快速列車(新快速や特別快速、大和路快速などの類も含む)、及び「○○ライナー」と言った類いの「利用にあたって特急料金や急行料金の類=速達のための料金を必要としない列車」のみに有効です。

要は「JR時刻表」の本文のページで「赤字表記」、その他なら「太字表記」になっている列車には、「原則として」乗車できないということです。

乗車整理券や座席指定券は、「設備にかかる料金」であって「速達のための料金」ではありません。ただし、「海峡線の蟹田駅~木古内駅間」「石勝線の新夕張駅~新得駅間」といった「特急しか走っていない区間」や、宮崎空港線の「宮崎駅~宮崎空港駅間(この区間では特急の扱いにならない区間)」では、「この区間からはみ出さないで乗車する」と言う条件で以て特急に乗車することが出来ます。もっとも、蟹田駅と木古内駅の両方に止まる列車なり、新夕張駅と新得駅の両方に止まる列車、及びそれに接続する列車を探し出すのが一苦労なんですけどね。

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例外措置が設けられる路線の特徴とは?

JR以外の路線に乗れる「例外措置区間」は次の通りです。

1.東北新幹線の新青森駅までの開業に伴い「独立支線」になってしまった八戸線及び大湊線に対する「救済措置」として、青い森鉄道の八戸駅~野辺地駅~青森駅の相互間を「この間の他の駅では改札から出ない」と言う条件で以て乗れます。改札から出られるのは、八戸駅と青森駅を除くと野辺地駅だけです。

2.北陸新幹線の金沢駅までの開業に伴い、同じく「独立支線」になってしまった七尾線・氷見線及び城端線に対する「救済措置」として、IRいしかわ鉄道の金沢駅~津幡駅間、及びあいの風とやま鉄道の高岡駅~富山駅間を、これまた「この間の他の駅では改札から出ない」と言う条件で以て乗れます。

津幡駅~高岡駅間は、倶利伽羅駅を境界にして会社が「IRいしかわ鉄道」「あいの風とやま鉄道」と別々になるから、という点もあるからかと思いますが「例外措置」はありません

ちなみに、例外措置が設けられている原因となっている路線には、「同じような特徴」があります。それは時刻表の索引地図を見慣れている人なら解りますが、「他のJRの路線と一切接点がない」という点です。

大湊線と氷見線と城端線はそれぞれ大湊駅、氷見駅、城端駅が行き止まり、いわゆる盲腸線だし、八戸線は八戸駅・久慈駅で接する路線は青い森鉄道および三陸鉄道、七尾線もやはり津幡駅・和倉温泉駅で接する路線はIRいしかわ鉄道およびのと鉄道です。

逆に言うと、好摩駅でIGRいわて銀河鉄道と接する花輪線、富山駅であいの風とやま鉄道と接する高山線、糸魚川駅でえちごトキメキ鉄道と接する大糸線、豊野駅でしなの鉄道と接する飯山線、小諸駅で同じくしなの鉄道と接する小海線は、もう片一方の駅がJRの路線と接しているので「例外措置」が設けられなかったともいえます。

現に花輪線は大館駅で奥羽線と接していますし、高山線は岐阜駅及び美濃太田駅で東海道線及び太多線と接しています。また大糸線は松本駅で篠ノ井線と接していますし、飯山線は越後川口駅で上越線と、小海線は小淵沢駅で中央東線と接しています。なので「その気になりさえすれば第三セクター区間を避けての大回りも可能だから」というわけです。

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JR以外の会社の車両で運転されている路線は?

七尾線で思い出したから余談です。

七尾線の場合、JRの車両が普通列車として走るところは七尾駅までです。七尾駅から和倉温泉駅までは(金沢の方からIRいしかわ鉄道の路線を通じて直通してくる特急列車を除けば)、のと鉄道の車両しか走らないのですが、津幡駅から和倉温泉駅までが路線としてはJRの路線になるため、和倉温泉駅までは乗っても大丈夫なんです。

他にも「JR以外の会社の車両で運転されている車両がある路線」で、その「他の会社の車両」がJRの路線内を「普通列車(及び快速の類)」として運転されているのなら、「他の会社の車両」に乗ってもJRの区間内なら大丈夫です。

まあ流石に「四日市駅と河原田駅の間だけを伊勢鉄道の車両に乗る」というのや、「篠ノ井駅と長野駅の間だけをしなの鉄道の車両に乗る」というのは、区間が短いのでいわゆる「鉄」の人でも「よほどの物好きな人」でないとやらないでしょうけど、例えば「伊東線で熱海から伊東までを伊豆急行のリゾート21に乗る」のは大丈夫です。(リゾート21は見た目が特急列車の車両みたいな車両ですが、普通列車として運転されていることがあります)

これらの区間では、JRがのと鉄道なり伊豆急行なり東京メトロなり伊勢鉄道なりから車両を借りて(のと鉄道および伊勢鉄道には乗務員も借りている)、普通列車として運転している扱いになるので、ですね。逆に長野駅と豊野駅の間は、幾ら車両がJRの物だからと言っても、しなの鉄道に運賃を支払う必要があります。

また、宮島連絡船のフェリーに乗ることは(当たり前ですが「JR西日本宮島フェリー社担当便」に限る)出来ますが、JRバスに乗ることは出来ません。宮島連絡船のフェリーは、宮島口桟橋~宮島桟橋間の距離を宮島口駅までの山陽線の距離と足して運賃を通算できますが、JRバスは国鉄時代から「独立採算」でしたからね。

ただしバスでもいわゆる「列車代行バス(何らかの原因で不通になっている個所を列車の代行として運転されるバス)」や、気仙沼線や大船渡線のBRT(バス高速輸送システム)であれば、「路線の一部」と看做されるために乗車可能です。

では、この辺で(^^)/~~~

image by:Wikipedia

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