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手遅れになる前に知っておきたい、動画配信サービスの「落とし穴」

元TBSディレクターにして、現在はロスで起業し、「Wowmax Media! 」を経営する海部正樹さんによるメルマガ、『ロサンゼルスで起業してしまったボクの本気メルマガ!』。今回は最近日本でも話題の「動画配信サービス」について取り上げています。すでにアメリカでは動画配信サービスが衛星放送やケーブルTVを追い抜きつつありますが、そこで新たに出てきた問題点とは一体…?

今流行りの「コード・カッティング」の問題点

数年前からメディアを賑わせている「コード・カッティング(cord-cutting)」という言葉があります。 ケーブル・衛星放送テレビの契約をやめインターネット経由の動画視聴を選択する消費者動向を指すものなのですが、テキサス州ダラスのコンサルティング会社によれば、全米で高速インターネット契約をしている家庭9800万世帯。 そのうち、有料のプレミアム・チャンネルを視聴するためにケーブル・衛星放送会社と契約をしていない家庭は、1000万世帯にも上るといいます。2015年1月から9月の間にコード・カッティングをした世帯は約100万世帯。 調査会社プライスウォーターハウス・クーパーズによれば、米国人の約20%は2016年にケーブル会社との契約をするつもりがないのだというデータもあります。

そうかな?という気もしないではない。 以前から、米国世帯の70%はケーブルテレビでテレビを視聴、20%は衛星放送10%が直接受信とされています。 ということは1000万世帯くらいは、もともとケーブルテレビにも衛星放送にも加入していない訳で、私には数字の解釈に見えてしまいます。 もちろんケーブルのプレミアムをキャンセルして動画配信に乗りかえている人は増えているでしょうが。

そう思っていたら面白い記事がみつかりました。 サービス内容も料金形態もまちまちの無数のオンライン配信サービスから最適なサービスを選ぶことは容易ではなく、複数サイトに登録するうちに、結果的にケーブル契約額よりも高い料金を払うことにもなり得るのだ、という趣旨のもの。 米ワイヤード誌の記者が、ある視聴者の心を代弁した記述がわかりやすいため、以下に紹介します。

「DISHが始動したビデオ配信サービスには、AMCやCartoon Network、Food Networkなどの魅力的なチャンネルのほか、ケーブル契約を続けている最大の理由であったスポーツ中継のESPNが入っている!早速、ケーブル契約を解除して、月額20ドルでSling TVの会員になろう。 同時に、『アメリカン・ホラー・ストーリー』の新シーズンがスタートしたので、iTunesにて29.99ドルで購入しなければ。 『ゲーム・オブ・スローンズ』も見逃せないのでHBOに月額10ドルで加入。 “The Man in the High Castle”が面白いと聞くので年額99ドルでAmazon Primeにも加入しておこう。 Netflix(月額10ドル)、Hulu(広告なしで月額12ドル)にはすでに加入済みなので続行。 そうこうするうちに、コムキャストのインターネット・データ使用限度を超えてしまい、10ドル加算された。 気づけば、月々の支払いはケーブル契約額より高額に!?」

上記の例は、コード・カッティングが直面している課題をよく表しています。 複数プラットフォームに散在するコンテンツを網羅するのは、時間、労力、金銭面で負担が大きく、かといって、シーズンごとに契約・解除を繰り返すのも大変なのです。

と書いている私はタイムワーナーケーブルに加入し、日本のニュースが観たいので月額25ドルのTV Japanを契約しています。 あとAmazon Primeと仕事の関係もあってHulu。 そうそう娘がNetflixにもサインナップしています。 おっと。 。 。 みなさんはいかがですか?

image by:  Shutterstock.com

 

ロサンゼルスで起業してしまったボクの本気メルマガ!』より一部抜粋

著者/海部正樹(米国法人WOWMAX MEDIA LLC代表 / プロデューサー)
政治家の二世なのですが、テレビディレクターやアニメプロデューサーになりました。親は嘆いたでしょう。しかも42歳で渡米、その後ロスで起業と来た日には、人生どう転がるかわかったものではありません。そんな私が異国で今日も体験している「海外の起業」と「海外での継業」を中心にいろいろ書かせて頂きます。それと「米国ローカルの時事ネタ」や「10年暮らしてわかる生活ネタ」もご紹介します。
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