温泉旅館のお茶請け「種なし梅」は、年商25億円の大ヒット商品だった

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温泉旅館に泊まると、よく供される「種なし梅」なる食べ物。これが実は知られざる大ヒット商品だってご存知でしたか? 雑誌『旅行読売』の元編集長で、旅行業界の裏事情に詳しい飯塚玲児さんが、この謎の食べ物の真相について、自身のメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』で語られています。

知る人ぞ知る“種なし梅”はものすごい

このコーナーでは、毎号、温泉にまつわる雑学ネタをご紹介しようと思う。今回は、かの有名な?「種なし梅」のものすごさについて。

宿のお着きのお菓子と一緒に、最近「種なし梅」というのが置いてあるのをしばしば見かける。しかも日本全国のあちこちの宿で、である。

こんなに勢力を伸ばしてきたのは、ここ10年くらいのことではなかろうか。いったいなぜ? と記者魂がうずいて、調べてみずにはいられなくなった。

この商品、正式名称は「まろやか干し梅」といって、山梨県にある会社「ハッピーカンパニー」の看板商品だ。

最初にお着きの菓子として取り入れたのは石和温泉の宿数軒だという。だが、現在は北海道から石垣島まで直取引している宿があり、問屋を介した宿を含めると、4000軒以上の宿で提供されているそうだ。

しかも、である。なんと、この商品だけで年商25億円以上というから驚きだ。

そもそも、昔(江戸時代だとか)は、旅籠ではお着きの菓子などは提供されておらず、かわりに梅干しを旅人にお出しして喜ばれていたことから発想し、商品化したとのことだった。

梅干しのクエン酸には疲労回復や食欲増進の効果がある。宿に着いて、この種なし梅を一粒味わうことで、旅の疲れがいやされ、胃も活性化して、夕食をおいしく味わうための準備も整うのである

商品名は「種なし」だが、宿での自慢話の「タネ」になることうけあいだ。だって25億円だよ。ものすげえ話だよねぇ。

image by:ハッピーカンパニー オンラインショップ

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『まろやか干し梅 180g』 

おうちで旅館気分!

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