相模原事件で浮き彫りになった「緊急措置入院」という制度の問題点

 

精神保健福祉法の対象とする精神障害者は、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者と定められています(法5条)。法は、都道府県に対して、精神障害に関する相談や知識の普及を行う精神保健センターを設置することを義務付け(法6条)、また精神科病院の設置も義務付けています(法19条の7)。

精神障害者の入院形態として、自分の意志による入院である「任意入院」(法21条)、警察官等からの通報や届出によって都道府県知事が精神保健指定医に診察をさせ、自傷他害のおそれがあると認めた場合に行う「措置入院」(29条)、急速を要し、措置入院に係る手続を採ることができない場合に行う「緊急措置入院」(29条の2)という形態を定めています。今回被疑者に対して行われたのがこの緊急措置入院です。

一旦措置入院が成立すると入院措置の解除があるまでは退院することができません。なお、措置入院、緊急措置入院の入院に要する費用については、都道府県が負担することになっています(法30条)。これらの制度については、現在も検討が進められており、改善すべき点などについても盛んに議論が行われています。

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