規制緩和がなされ、一般の方も使用していない住宅の一部を貸すビジネスに参入できるようになったいわゆる「民泊」。トラブルも多いため、民泊についてこれまで控えめな態度だった無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者・廣田信子さんですが、ご自身の娘さん夫婦が実際に利用したエピソードに触れ、そのすばらしい面を垣間見ることができたといいます。
「民泊」利用ってなかなかいい?
こんにちは! 廣田信子です。
娘の家族が、先日、神奈川県の有名な海水浴場すぐ近くで「民泊」を利用しての夏休みを過ごしました。幼児が1人いる2家族6人で3泊4日の利用です。Airbnb (エアビーアンドビー)のサイトで見つけた「民泊」は最高だったみたいです。
幼児がいるので、海で疲れたらすぐに戻って休憩やお昼寝ができ、自分達で自由に料理がしたいというニーズに「民泊」はぴったりだったのです。
ご主人が日本人で奥さんが外国人のホストファミリーで、普段は、1階にご主人のお母さんが暮らす2世帯住宅です(おそらく)。その1階部分を夏の間「民泊」として提供しているのです。その間は、たぶん、お母さんも2階で生活しているのでは…ということです。
本来の趣旨の「民泊」で、自分たちの生活の場の一部を提供するのですから、きちんと事前のやりとりで、信頼できるゲストかをチェックするのですが、友人家族のご主人も外国人ですし、英語でのコミュニケーションもスムーズだったので、問題なくOKとなったようです(もちろんホストのご主人とそのご家族は日本人で、日本語でもコミュニケートできるので日本人の利用者もいるようでした)。
詳しい説明等は英語で書かれている紹介ページですから、たぶん、外国人旅行者のホストを一番に想定していて(家の中の注意書きなども英語で書かれていたようです)、ホストとの出会いも楽しみにしての「民泊」登録だったようです。
キッチンには調味料、庭にはバーベキューセットもそろっているし、2階にいるホストに必要なものを言うと、ホットプレートもサーフボードも、何でも貸してもらえて、お店や病院の情報もすぐ聞けて、海から水着のまま戻って、庭で足を洗えるし、ホテルに宿泊するより何倍も豊かな海辺での休暇を過ごせて、しかも、その料金は…6人で利用して、なんと1泊1万円なんです。
そんな料金でいいの? と思ってしまいますが、人との出会いをたいせつに、自分たちの持っているものの一部を提供することで、ホストに喜んでもらう。そして、ホストの感謝の気持ちに見合う収入も得られる…持っているものをシェアすることで、みんなが、生活も気持ちも豊かになるというシェアリングビジネスとしての「民泊」のすばらしい面を、娘の体験談から垣間見ることができました。
一方で、「民泊」を、ただ、自分が何もしなくても儲けられるビジネスと捉え、日本に不動産を購入する外国人が増える理由も分かった気がしました。たとえば、日本に不動産を持つ中国人が、中国人旅行者をターゲットにして中国語のサイトに「民泊」の登録をしたら…。私たちが知らないところで、民泊がどんどん進むわけです。
結局、新しい便利なシステムをどう使うか…は、使う側の「心」の問題なのだと改めて思いました。
image by: Shutterstock
『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』
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