韓国人の対日観が近年になってなぜ変わってきているのか。それは中韓関係の変化と関係があります。有史以来、中国と朝貢関係にあった韓国は、常に中国の顔色を伺って中国に媚びへつらってきました。もちろん、中国が反日嫌日キャンペーンを繰り広げれば、韓国も同調して対日批判を繰り広げるという具合です。
中国が、中国が定義した「正しい歴史認識」を日本に押し付けようとすれば、韓国も同調して日帝の罪を声高に叫んでいました。とくに朴槿恵政権になって、昨年までの中韓蜜月時代には、習近平も朴槿恵も、揃って海外に対して「告げ口外交」をしあう「蜜月ぶり」でした。
ところが、最近になって両国間の利害関係に変化が生まれてきたのです。ひとつは、東シナ海の排他的経済水域の境界線をめぐっての対立です。
● 中韓「蜜月」のはずが「激突」…「東シナ海」海洋権益、双方譲る気配なし
この問題は過去から続いてきたものですが、尖閣諸島を含めて東シナ海の海洋権益を主張し、さらに南シナ海にもその手を広げている中国は強硬姿勢がますます際立ってきています。
昨年10月に行われた李克強首相と朴槿恵大統領の首脳会談に関する発表内容では、中国側は「李克強首相が境界線を確定するための会談を早期に開くように求めた」としているものの、韓国側はそのことにまったく触れていないなど、両者の対立が明確化してきています。
さらには、アメリカとの関係です。南シナ海問題が深刻化するにつれて、アメリカは韓国に対しても中国につくのか、アメリカ側につくのか、態度をはっきりさせろと迫りました。
また、日韓関係の悪化はアメリカの防衛戦略にも支障があることから、アメリカの圧力もあって昨年末の日韓慰安婦合意へと繋がりました。
中国が製作したドラマ『南京大虐殺』が大ヒットしてからは、韓国もそれをマネして似たようなものを製作しましたが、「日韓慰安婦合意」のあとは「慰安婦」問題もあまり出せなくなりました。