フジテレビが台湾に謝罪。いったい何を「やっちまった」のか?

 

戦前の日本には、「日本精神」がありました。新渡戸稲造の「武士道」に代表される日本精神は、捏造とは無縁のものであり、日本時代を生きた台湾人たちはそうした日本精神を叩きこまれたものでした。

現在でも台湾で「日本精神」といえば、正直誠実勤勉を指し示す言葉になっています。しかし、戦後の日本ではこの日本精神が否定され、日本人もすっかり変わってしまいました。現在のマスメディアの捏造は、戦後日本の風土から生まれた日本人の生き様」です。それが時代の流れとともに日本の「気風」となってしまったとすれば、これほど悲しいことはありません。

この「気風」を表す象徴として、戦後、中韓がしつこく追求してくる歴史認識」「靖国参拝問題への対応があります。日本はこれに対して反論するわけでもなく、言われるがまま、ただ「反省と謝罪」を繰り返してきました。そして、マスメディアもその旗振り役となって「謝罪と反省」のアンコールを声高に叫んできました。

こうした「気風」は、戦後日本人のメンタリティの象徴として知られ、すべての日本人に贖罪の意識を強要してきました。台湾でも、日本人がただひたすら過去を悪と見なす態度に、あれほど素晴らしい「日本精神」を唱え実践してきた日本人が、戦後になって「無分別」のような精神状態となっているのではないかと危惧する意見があります。

日本では戦後70年、コスモポリタン的思想が主流意識となってきました。やがてそれはグローバリズムへの礼賛にも繋がりました。とはいえ、その根源には歪んだ自虐史観が作用していたことは明らかです。そのため、戦後の日本では、自国の伝統的精神や文化から価値観に至るまでが他国より劣ったものとして貶められてきました。とくにマスメディアや教育の場でその傾向が顕著でした。

日本に親しみを持つ台湾に対する嘲笑や捏造も、どこかこうした自虐意識が関係しているように思えます。台湾人の親日感情を逆手にとって嘲笑の対象とすることは、日台の親密な歴史を否定して貶めることであり、卑屈な精神の表れだと思わざるをえません。

幸い、今回の件では番組に対して日本人からも多くの批判が上がったと聞きます。日台の歴史を知る日本人が確実に増えていることの証拠でしょう。

現在の世界では、イギリスのEU撤退、アメリカのトランプ現象、ロシアのプーチン独裁、中国の習近平が掲げる「中国人の夢」など、コスモポリタン的志向から国家主義への回帰が起きています。

日本ではいまだこうした国家主義は「右傾化」としてただ批判するばかりですが、世界の変化を見れば、結局はコスモポリタン的な思想や主義が現実に合わなかったことは明らかです。

こうした時流は、日本が歪んだ自虐史観から脱却する好機ともいえます。いまこそ日本は台湾や朝鮮、満洲での事績を見つめなおし、歴史を取り戻すべきです。中国や韓国に迎合していたずらに自国を貶めたり、日台関係を毀損して中国のお先棒を担ぐような真似をするようでは、日本精神も復活せず、いつまで経っても戦後は終わりません。

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黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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