フジテレビが台湾に謝罪。いったい何を「やっちまった」のか?

 

日本は戦後、敗戦という厳しい状況からモーレツ時代を経てバブルを享受し、必死になって前進してきました。21世紀になって、やっとゆとりを持って周囲を見ることができるようになり、日本では今、台湾がブームです。

それまで台湾の片思い状態だったのが、日本が台湾のほうを向き相思相愛になったということです。こうした蜜月関係はじつに心地よいものです。それに水をさすようなくだらない番組は必要ありません

今回の件で思い出すのが、2009年に放送されたNHKの番組『JAPANデビュー アジアの一等国』です。この番組は、NHKによる歴史捏造が問題となりました。台湾の日本時代を生きたお年寄りたちに取材をし、都合のいい部分だけを使って、「植民地」「人間動物園」「台湾人は漢民族」などという刺激的な言葉を随所に入れたナレーションをかぶせて、日本が台湾をいかに悪劣に支配統治したかといった内容の番組に仕立て上げられていました。

これに対して、台湾側からも日本側からも批判が集まり、ついにはその内容の正当性を巡って1万人の集団訴訟として裁判に持ち込まれました。裁判の結果は、高裁では台湾原住民の高許月妹さんへの損害賠償が認められたものの、最高裁ではこの判決が棄却されNHK側の勝利となりましたが、日本時代の台湾を知る人々にとってNHKが歴史を捏造して放送したのは明らかです。

チャンネル桜の水島総社長は、この判決について「日本人は血も涙もない」と嘆き、人々の心を傷つけたお詫びにと募金を集めて原住民村に寄付をしたそうです。

NHKによる高許月妹さんへの名誉棄損を認めない不当判決を下した最高裁

テレビ番組や新聞メディアにおける捏造については、TBSやテレビ朝日、朝日新聞や毎日新聞など、左派メディアの十八番とされてきましたが、今回の件でフジテレビもかなりお粗末なものだということが判明しました。

これは、マスメディアが直面する永遠の課題とも言えるでしょう。しかし最近では、捏造問題はマスメディアに限ったことではなくなってきています。自動車業界、建築業界など日本を代表する業界でも、データ改ざんが大きな社会問題となっています。また、国会議員が不正を暴かれ辞職に追い込まれるケースもしばしば目にします。

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