年金制度は国家ぐるみの詐欺なのか? 年老いたニッポンの覚悟

 

社会保険庁の不祥事「無駄遣い」は年金崩壊のカモフラージュだった

事実、そうなりました。崩壊が予想されていた1990年代に社会保険庁の不祥事として浮上した「ムダ遣い」は実は年金の崩壊をカモフラージュするためにマスコミと政府が連携して行ったことと考えられます。日本人が何歳ぐらいで何万人ぐらいになるかという人口ピラミッドの予測は正しかったのですから、突然、少子高齢化が進んだわけでもなく、また物価の上昇率は平均して4%ぐらいあったので、これもインフレで年金の目減りもわかっていました。

でもそんな基本的なことがバレると大騒ぎになるので、社会保険庁の一部が業務をサボったという形で表面化させたのです。もともと自分が積み立てる「積立型年金」だったわけですから、年金を払う若者が減ったから年金が減るというのは「賦課型」の特徴で、無関係なことに気がつかずに1990年代の難所を乗り切ったのです。

だから、また年金は崩壊します

でも、崩壊しない年金制度を作ることができます。それは「昔の家制度と同じ負担にする」ということで、若い人が支払える金額を決めて、それに適合するように「高齢者の定年を決めるという方式です。つまり、かつて家制度でも息子の稼ぎが少なければ、親はアルバイトをするなどして息子の家計を助け、一家としてのつじつまを合わせていったのです。

それを社会に当てはめれば、不景気になって日本全体のGDPが減れば、それに応じて短期的には年金が下がり、高齢者が増えれば長期的に定年を伸ばすというやり方です。この方法をとれば「日本国が存在する限り」、「年金は崩壊しない」ということになり、年金制度はすっかり安定します。

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image by: Shutterstock

 

武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋

著者/武田邦彦
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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