なぜ日本人ジャーナリスト常岡氏はイラクで拘束されたのか?

2016-11-01 18.39.35
 

日本人ジャーナリストの常岡浩介氏が、イラク北部のモスル周辺でクルド人が自治するクルディスタン地域政府(KRG)に拘束されたというニュースが報道されました。メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の著者で、イスラム世界の情勢にも精通する作家の冷泉彰彦さんは「なぜ今回、常岡氏が拘束されたのか?」を考察し、イラクやアメリカまたは日本から「手が回った」可能性を指摘。常岡氏が今回取材していた、イラク軍がモスルの街をISISから奪還する「モスル奪還作戦」について、多角的な報道ができないことは日本にとってマイナスだと持論を展開しています。

イラク北部での日本人ジャーナリスト拘束

報道によれば、常岡浩介氏と見られる日本人ジャーナリストが、イラク北部でクルディスタン地域政府に拘束されたようです。情報が限られる中ですが、この問題の周辺にある論点を指摘しておきたいと思います。

仮にこれが常岡氏であるのであれば、モスル奪還作戦に関して周辺地域での取材を行っていたようです。このモスル奪還作戦に関しては、大統領選の争点にもなっており、今後の中東、そして国際情勢に影響を与える重要な作戦です。ですから、日本人による現地に近い地点からの生の情報が少なくなるのは困ります。

常岡氏に関しては、ISISに人脈があるというのは周知の事実ですが、そのためにイラク当局(もしくはアメリカ)に睨まれての拘束、あるいは日本の当局が「面倒を起こしてもらっては困る」という動機からイラクに依頼した結果の拘束という可能性があるわけです。

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