NY在住の猫好き医学博士が警告する、危険な世界通貨「ドル」の実態

 

迫り来る危機

話が少しややこしくなってきたかもしれないので、ここで核心に触れましょう。

まとめると、オバマ政権以来、現在はドルの刷り過ぎで借金が増え、株価や不動産や国債がバブルになっています。このバブルがはじけたら、2008年の経済危機の沙汰どころではない惨事になると予測されています。1929年の世界恐慌よりも悲惨なことになるかもしれないという専門家達もいます。

株価や不動産が暴落し、銀行や企業が破綻し、雇用がなくなり、高齢者の年金がなくなり、中流層が一気に貧困層になり、 犯罪が増える可能性があります。これは僕の個人的見解ではなくて、このような予想している専門家が沢山いるのです。

世界的に有名な投資家のジム・ロジャーズは、次に来るバブル崩壊が社会に及ぼす悪影響は史上最悪だと予測しています。ロジャーズ氏本人もNYからシンガポールに避難してしまいました。元議員で大統領候補だったロン・ポールも、史上最悪の経済危機が来ると予言しています。また別の元議員、デビッド・ストックマンも同じ意見です。

リーマンショックを的確に言い当てたアナリストのハリー・デント、ピーター・シフ、ジェラルド・セレンテも次に起こる経済危機は避けられないことで意見を同じくしています。

ミリオンセラー「金持ち父さん貧乏父さん」著者のロバート・キヨサキ、そしてキヨサキ氏のファイナンシャル・アドバイザーのマイク・マローニも史上最悪の経済危機が来ることを警告しています。

弁護士でFRBのアドバイザーの経験もあるジェームズ・リカーズは、経済危機に伴ってアメリカの金融機関は凍結し、ドルが崩壊するとまで著書「The Road To Ruin(破滅への道)」で述べています。

こういった専門家や知識人からの情報はメインストリームのメディアにはまず載りません。CNNにもロイターにもNYタイムズにも載りません。むしろ、メインのメディアは全く反対のことを言っています。日本のマスコミでもこういった情報は一部のメルマガ等を除いてほとんどありません。警鐘を鳴らしても、クレイジー扱いされてしまうのです。

しかし、2008年の経済危機の直前も、正しかったのはメインのメディアでも政府でもなく、警鐘を鳴らしていたアナリストや学者達でした。このように、2008年の経済危機を正確に予言した経済の専門家が現在迫り来る危機をこれほどまで警告しているのはそれなりの意味があり、彼らの声に耳を傾けるのは重要です。

その一方で、オバマ政権やFRBは「アメリカ経済は安定した復活を遂げた」と言っています。ヒラリー陣営も基本的にオバマ政権と意見が重なっているので「経済は大丈夫」という意見です。

さあ、何を信じますか? 何を信じて良いかわからなくなりますよね? だからこそ、何かを盲信するのではなく、事実をしっかりと見極めるために情報を集めることが大事だと僕は思うのです。デマとデモの拡散をやっている場合ではありません

こんなことを書くと、また「しんコロはトランプ派か!」とヒラリー派から反発を買うかもしれませんが、僕はトランプ支持の議論をしているのではなく、現在のアメリカ経済の実態について話しているのです。僕はヒラリー派とトランプ派の衝突は感心していませんが、皆にもっと深刻なことに目を向けて欲しいと思っています。

アメリカ経済を悲観する専門家達は、ヒラリーにもトランプにもこの危機は止められないと考えています。そして、先程のグラフを見ていただけるように、アメリカ経済の不況は約7~9年ごとにやって来ています。 今まさに、その時期になっているのです。

これから近い未来にアメリカ経済がこの危機をどのように迎えるのか、そしてその波紋でドルという世界通貨の運命がどう変わり、さらにアメリカに大きく依存している日本経済がどのような影響を受けるのか。そのようなことになったら、日本にいる皆さんにとっても他人事ではありません

これからのアメリカ経済の展開は注意深く追っていく必要がありそうです。

 image by: Songquan Deng / Shutterstock.com

 

しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」

著者:しんコロ

ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。

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