だからスタバは強い。従業員の意識の高さが現れる「QCサークル」

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先日掲載の記事「なぜスタバの店員は辞めないのか。秘訣は『6つのミッション』にあり」で、スターバックスの人材育成の上手さについて記していた無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さん。そんな佐藤さんが今回は、あるスタバの店舗で従業員が自発的に行っている活動を目の当たりにし、同店の「従業員の意識が高さ」を絶賛しつつ、店舗の質を向上させる「QCサークル」についても詳述しています。

QCサークルがある店は強い

こんにちは、佐藤昌司です。あるスターバックスを訪れた時のことです。店員が店内の顧客の席に出向いて、コーヒーの試飲を勧めに回っていました。

商品・サービスを顧客や見込み客に無料で試してもらうことは非常に大事なことです。飲食店や食品小売業であれば、試食や試飲を行います。小売業であれば、商品をパッケージから出して、実際に触れて試すことができるようにします。サービス業であれば、10分お試しサービス初回無料サービスといったことを実施します。

いずれにしても、無料で試してもらうことは非常に大事です。スターバックスでも当然にそれを行っています。これは特筆することではないのかもしれません。

ただ、先に挙げたスターバックスでは、他の店ではほとんど行われていないことがありました。私の経験では初めてです。それは、「試飲と共に試飲した感想を顧客に書いてもらう」ということです。

「よろしければ、後ほど回収に伺いますので、ご感想をお書きいただけないでしょうか」と言われました。試飲のコーヒーと共に小さなメモ用紙とボールペンを渡されました。

私は快く応じることにしました。最初は、顧客の声を集め、その顧客の生の声を店内に掲示して、販売促進につなげようとしているのかと思いました。

顧客の生の声は強力な販促手段となります。顧客の「美味しい」といった声が多数あれば、他の顧客は安心して購買できるからです。試飲とセットで行うことで、顧客の声をかき集めているのだろうと当初は思いました。

返報性の原理を取り入れていると思っていました。返報性の原理とは、人は他人から何かしらの報酬を受けた場合、そのお返しをしなければならないといった感情を抱くことをいいます。先ほどのスターバックスでいえば、無料の試飲で報酬を与え、見返りとして顧客の声を受け取るということです。しかし、店員に聞いてみると、どうもそうでもないようでした。

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