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自営業なら知らなきゃ恥よ。年金をもっと増やす「付加年金」の裏ワザ

年金の受取額の少なさに、ある意味諦めにも似た感情をお持ちの方も多いかと思いますが…、実は、お手軽に年金を増やす方法があるってご存知でしたか? 今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では、著者で年金アドバイザーのhirokiさんが、「付加年金」について徹底解説しています。

もうちょっと老後の年金を増やしたいな~という人は手軽にこの年金の保険料を納めるのもアリ

年金を増やす方法は幾つかありますが、もうお手軽に年金を増やしたいって人には付加年金というのがあります。

ただし、自営業とかの国民年金保険料を支払ってる第1号被保険者向けの制度。だから、厚生年金に加入してるサラリーマンや公務員(国民年金第2号被保険者)、そして第2号被保険者に扶養されている専業主婦(主夫)等の第3号被保険者も加入できない。

市役所に手続き行って、付加保険料を毎月400円を国民年金保険料に上乗せする事で65歳からの年金が増えます。ただし、国民年金保険料を未納とか免除にするとその期間は付加保険料を納める事は出来ない。つまり国民年金保険料をキチンと納める事を条件に上乗せできるもの。

なお、平成26年4月からは過去2年1ヶ月の間に付加保険料未納になっちゃった部分を納められるようになった(平成26年4月以降の分)。

例えば20歳から60歳までの最大40年間付加年金の保険料を納めたら、200円×480ヶ月=9万6,000円(年額)の付加年金になり、65歳からの老齢基礎年金に上乗せの形で支給されます。

よく付加年金は非常におトクと言われますが、なぜかというと2年で元が取れるから。400円の保険料を例えば上限の480ヶ月(40年)支払うと保険料総額は19万2,000円。で、480ヶ月支払うと付加年金は200円×480ヶ月=9万6,000円。9万6,000円×2年=19万2,000円となり、2年以上貰うと払った保険料より多く貰えるという理由。

さて、国民年金保険料を480ヶ月納めた人は、老齢基礎年金が満額78万100円(平成28年度価額)支払われますがそれに付加年金が乗っかる形ですね。

というわけで事例。

ア.昭和41年1月4日生まれの女性(今51歳)。

国民年金に20歳になる昭和61(1986)年1月から加入し、平成2(1990)年5月までの53ヶ月未納。

平成2(1990)年6月~平成10(1998)年3月の94ヶ月は全額免除(平成21年3月以前の全額免除は老齢基礎年金額の3分の1の額に反映。平成21年4月以降は2分の1に反映)。

平成10(1998)年4月から平成37(2025)年12月までの333ヶ月は国民年金保険料を支払いながら付加保険料も支払う。

※注意
平成37年12月というのは60歳誕生月の前月。60歳到達月以降は国民年金保険料支払う義務は無くなり、保険料支払うのは60歳到達月の前月分までとなるから。

ア.65歳から貰う老齢基礎年金は

78万100円÷480ヶ月×{(全額免除期間94ヶ月÷3)+国民年金保険料納付済期間333ヶ月}=78万100円÷480ヶ月×364.333ヶ月=59万2,117円(月額4万9,343円)

イ.付加年金

200円×333ヶ月=6万6,600円(月額5,550円)

合計年金額は59万2,117円+6万6,600円=65万8,717円(月額5万4,893円)

年金は偶数月に前2ヶ月分支払うから5万4,893円×2ヶ月=10万9,786円

実際の支給のやり方は、

老齢基礎年金59万2,117円÷6=9万8,686円(1円未満は切り捨て)

付加年金6万6,600円÷6=1万1,100円

9万8,686円+1万1,100円=10万9,786円

年金を支払う際は、年金の種類を全部足して6で割って偶数月に支払うのではなく、年金の種類ごとに6で割って合算して支給する。遺族年金と老齢の年金のように全く種類が異なる年金の場合は、それぞれ6で割って支給する。よって、振込口座を別々にすることもできる。

※注意
各支払い期に切り捨てた1円未満の端数は2月支払い期にまとめて支払う。

ちなみに60歳到達月からは国民年金に加入する義務は無くなりますが、この女性のように国民年金保険料をキチンと納めた期間が最長の480ヶ月無くて、老齢基礎年金が満額受け取れない人は60歳から65歳までの60ヶ月間国民年金に任意で加入して老齢基礎年金を増やす事ができます(付加保険料も納めたいなら一緒に納められる)。

というわけで、この人は60歳以降60ヶ月間は国民年金に任意加入する事にしました。増える金額は

78万100円÷480ヶ月×{(全額免除87ヶ月÷3)+国民年金保険料納付済期間393ヶ月}=78万100円÷480ヶ月×422ヶ月=68万5,838円(月額5万7,153円)

※注意
全額免除期間が94ヶ月ではなく87ヶ月になっているのは、任意加入する期間60ヶ月を足すと、国民年金加入期間限度480ヶ月を超えるため、その分を削除。

つまり未納期間53ヶ月+全額免除期間94ヶ月+国民年金保険料納付期間333ヶ月+国民年金任意加入期間60ヶ月=540ヶ月となって上限の480ヶ月をオーバーしちゃうから、任意加入期間60ヶ月からまず未納期間53ヶ月を引いて残り7ヶ月分あるので、全額免除期間94ヶ月-任意加入期間7ヶ月=87ヶ月が残りの全額免除期間となる。だから、480ヶ月を超える免除期間は押し出してしまう感じ。

なお、全額免除期間以外の部分免除(4分の3免除とか半額免除等)は計算がちょっと特殊。付加年金は

200円×393ヶ月=7万8,600円(月額6,550円)

よって、年金総額は

老齢基礎年金68万5,838円+付加年金7万8,600円=76万4,438円(月額6万3,703円)

となる。

また、この女性は昭和41年4月1日以前生まれの人なので、65歳以降に振替加算1万5,042円(平成28年度価額)付く場合がある。

● 加給年金と振替加算(日本年金機構)

※追記

国民年金保険料はまとめて保険料支払う前納をやると一定額の割引がありますが、付加保険料も前納する事により割引を受けられます

なお、納付書で前納する場合は、まとめて支払うといっても、単に月々の国民年金保険料の納付書でまとめて支払っても割引は受けられないので前納用の納付書を使う。ちなみに、前納は口座振替の方が割引が大きい

また、付加年金は国民年金基金に加入している人は付加保険料支払いはできません。国民年金基金に既に付加年金分が含まれてるから。

個人型確定拠出年金に加入してる人は付加年金にも加入出来ます。しかし、自営業の人等が加入する個人型確定拠出年金は月上限掛金6万8,000円ではありますが、付加保険料月額400円を納めると納められる個人型確定拠出年金の掛金が上限が6万7,000円となります。

6万8,000円から400円引いたら、6万7,600円まで個人型確定拠出年金の掛金納めれるんじゃ? と思われますが、確定拠出年金の掛金単位が1,000円単位なので6万7,000円となります。

image by: Shutterstock

 

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