「海賊とよばれた男」の子孫が反乱。出光の泥沼合併騒動に新展開

 

出光と昭和シェルが合併するには株主総会で議決権の3分の2以上の賛成が必要です。しかし、創業家は3分の1超を保有していると主張しているため、創業家の協力が得られなければ合併は困難な状況です。

こうした状況の中で出光は昭和シェル株の取得を進めましました。一株当たり1,350円での取得で、取得価額は約1,600億円です。出光は総資本が1兆8,000億円程度あるため大きな負担とまでは言えません。ただ、現在昭和シェルの株価はおよそ1,100円のため、300億円程度の含み損を抱えていることになります。株価の下落で含み損が拡大する可能性があります。

創業家の反対で合併は難しい状況です。そうした中で300億円もの含み損が宙に浮いたままとなると、出光の経営陣は経営責任を問われかねません。借り入れが発生すれば金利負担も生じます。全額借り入れで賄うという報道もあります。また、仮に合併が実現したとしても、買収価額が純資産を上回ることで生じるのれんが財務に重くのしかかります。

合併ではなくTOBで買収することも選択肢としてあり得ます。ただ、買収は吸収される昭和シェルの抵抗感が強く難しい状況です。昭和シェルが受け入れ難い選択肢といえます。とはいえ、創業家の反対で合併ができないのであれば、買収で決着がつく可能性はゼロではありません。買収であれば創業家の統合後の持株比率は低下しないからです。買収であれば創業家が賛成する可能性は低くないと考えられます。

第三者割当増資で創業家の持株比率を下げるという強硬策も選択肢としてあります。2016年12月7日付日本経済新聞は「昭シェルは2割程度の出光株を取得する予定」と報じていますが、これを第三者割当増資で行う可能性があります。ただ、これに対して創業家は新株の発行を差し止めるための法的措置を講じると表明しています。増資は難しい状況です。

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