ヘルメット被ってる? 他人事では済まない「自転車事故リスク」

2017.02.01
by Mocosuku
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東京では、「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が2017年2月1日に改正・施行されることとなっています。

この取り組みは、東京都がau損保等と協定して進めるもので、自転車購入の際に販売店から交通ルールを客に周知する、交通ルールのチェックシートの配布等がその内容となっています。

またau損保は、ヘルメット着用中の死亡事故には、特別保険金100万円を追加で支払う保険を販売し、ヘルメット着用定着促進を図っています。

このように、自転車事故を防ぐ、またヘルメット着用により自転車事故被害を軽減しようとする取り組みが積極的に進められていますが、その背景には何があるのでしょうか?

世界トップレベルの自転車保有台数

我が国の自転車保有台数は、自動車と同程度(約7200万)であり、増加傾向にあります。

マンション等で、よく駐輪場のスペースが問題になりますが、各家庭で子供用、大人用と数台持つことも珍しいことではありません。

通勤、通学、健康、余暇に老若男女が利用する自転車は日本人にとって最も身近な乗り物といえるでしょう。

しかし、この身近な乗り物である自転車は、案外危険であることをご存知ですか?

自転車事故死亡数は減っている…しかし

自転車事故での死亡者数は、昭和35年、45年をピークにして減少していますが、その減少率は、5割程度と交通事故死者数全体の6割減と比較すると減少幅が小さいのです。

東京都内でも、2016年だけで36人の死者が出ています。

また全交通事故数は、過去10年間で0.7倍であるのに対し、自転車対歩行者事故件数は増加をしているというデータもあります。

平成24年のデータによれば、人口当たり(100万人)の自転車乗車中死亡者数は、イギリスが1.9人、アメリカが2.3人であるのに対し、日本では、6.2人と大きな数値になっています。

ヘルメット着用すると死亡事故を防げる?

自転車乗用者が事故にあったときに、最も危険なのは頭部を固い路面や四輪車などにぶつけ損傷してしまうことで、死亡原因の多くを占めています。

しかしヘルメットを着用している場合は、ヘルメットを着用していない、もしくはヘルメットを着用していたが、顎ひもが正しく締まっておらず事故時に離脱したケースと比較すると、死亡率が1/4になると言われています。

自転車事故が多いのは、7~15歳、16~19歳の層だが…

人口あたり(千人)の、自転車事故が多いのは7~15歳(2.1人)、16~19歳(4.1人)と小中高生なのですが、ヘルメット着用している率は余り高くないようです。

例えば、自転車乗車時のヘルメット着用を努力義務とする条例を2014年度に実施した堺市では、条例施行し1年以上経過した後ですらヘルメット着用率は4%ときわめて低い数値にとどまっています。(13歳以下の子供の場合についても、施行前の34%から増加したものの、着用率は5割程度です。)

「ヘルメット被った?」の声掛けを

ヘルメット着用は、速度が出るスポーツ車に乗る場合のみ…という印象を持つ人も多く、普通の自転車に乗るときには、ヘルメット着用を嫌がる人も多いと思いますが、事故になった場合を考えると、「ヘルメット着用が当たり前」位の意識改革が必要でしょう。

小中高のお子さんを持つご家庭では、お子さんが外出するときには、「ヘルメット被った?」と一声かけることの習慣化から始める必要がありそうです。 
 
 
【参考】
交通事故総合分析センター ITARDA INFORMATION 交通事故分析レポート

警察庁 第一回安全で快適な自転車利用環境創出の促進に関する検討委員会 

平成27年度 「堺市⾃転⾞のまちづくり推進条例」効果検証

au損保自転車保険のヘルメット着用中補償について

「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」について(東京都青少年治安・対策本部)

 

執筆:Mocosuku編集部

 

image by: Shutterstock

 

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