自宅で自分らしく死ねる。ある若き医師が起こした在宅医療革命

 

宅配業ともタッグ~地域ぐるみで在宅医療

やまと診療所で去年の夏、新たなプロジェクトが動き出した。食品メーカー明治の宅配センターを取り仕切っている飯田健太さんとタッグを組むというのだ。

「乳製品の宅配という域から、サービスの幅を広げることができてない。生活にけっこう入り込んでいる業界でもあるし、そこの部分でやっぱり悩みを聞いて何もできなかった。特に医療の部分というのは、相談じゃないですけど、ただ話したくて話している方が非常に多いので」(飯田さん)

やまと診療所と明治の宅配所が協力してスタートさせたのは医療や介護の無料相談。生活をする上での困った点や、病気や介護に対する不安なことがあれば、診療所のスタッフが電話で応対。ケースによっては自宅まで伺うという。

宅配の利用者は高齢者が多い。飯田さんはやまと診療所と手を組み、地域の住民を支えたいという。

「困っている人の話を直接聞けて、何もできないっていうのでは……。この仕事は医療につなげないともったいないというか」

地域と一体となった新しい医療の取り組みが始まったのだ。

「在宅医療自体が、世の中にあんまり十分知られていないと感じている。在宅医療が必要な人がいっぱいいるはず。そういう人達に対して正しい選択肢を提示するためにも、地域連携はとても重要だと思っています」(安井)

~村上龍の編集後記~

在宅医療は、トピックスである。根本には当然、ヒューマニズムがある。だが、ヒューマニズムだけではやっていけない

安井先生は、訪問看護やヘルパーとの連携システムを作り、さらにPA、つまり「フィジシャン・アシスタント」を養成し、活用している。画期的だ。

PAは「医師助手」と直訳されているが、「メディカル・ネットワーカー」という日本語訳は、どうだろうか。

将来、「看取り難民が激増するらしい。病院から出され、一人で死を待ち、支援もない。考えただけでぞっとする。

やまとそんな現実に立ち向かっている

 

<出演者略歴>

安井佑(やすい・ゆう)1980年、東京都生まれ。2005年、東京大学医学部卒業。2008年、ミャンマーで海外医療チームに所属。2013年、やまと診療所開業。

 

 

source:テレビ東京「カンブリア宮殿」

テレビ東京「カンブリア宮殿」

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