「加齢臭」はどうして出る? 40過ぎたらあきらめるしかないのか

2017.02.27
by Mocosuku
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加齢臭は中高年に特有な体臭のことです。

俗に“オヤジ臭”ともいわれるので男性に特有な臭いと思っている人が多いかもしれませんが、男女差に関係なく40歳以降に増加が認められるそうです。

この臭いの正体は何でしょうか。

加齢臭とは

加齢臭とはどのような臭いなのでしょうか。

一般的には、青臭いチーズ、ロウソクや古本のような臭いといわれています。男性の方が皮脂腺から分泌される皮脂量が多いこと、汗をかきやすいこと、女性ホルモンが加齢臭のもとを発生しにくくするといった理由から、加齢臭は男性特有のにおいと思われがちですがそうではありません。

汗臭さ、口臭、ワキガ、足のにおいなど、人間にはさまざまな体臭がありますが、加齢臭も体臭の一種です。

ただし、40歳台以上になると、それまでとはどこか違った臭いだと感じられるのが加齢臭です。

2000年に某大手化粧品メーカーが、加齢臭の原因物質を「ノネナール」だと発表しました。

ノネナールは、脂肪酸の一つ「9-ヘキサデセン酸」が皮膚の常在菌や過酸化脂質によって分解されることで発生します。身体の老化や代謝の衰え、コレステロールの増加などから、こうしたプロセスは促進されます。

ほかにも、飽和脂肪酸である「ベラルゴン酸」も「使い古した食用油に似た不快な臭い」、有機化合物の「ジアセチル」が「脂っぽい臭い」など、他社からも加齢臭の原因物質について発表されましたが、現在ではノネナールと相まって、これらさまざまな原因物質が加齢臭を構成していると考えられ、なおも、原因物質についての研究は進められているそうです。

いずれにしても、共通しているのは、加齢とともに現れる代謝の衰えとホルモンバランスの変化が、皮膚上に脂質と老廃物を増やし、酸化や菌の繁殖を促進するということです。

加齢臭の予防法は?

加齢がもたらす「加齢臭」。これを防ぐことはできるのでしょうか。

代謝が衰えて皮脂が過剰分泌したり、酸化を促進する体内の活性酸素を増やしてしまったりするのが老化です。

ですから、アンチーエイジングとして生活習慣をよくすることで、加齢臭の発生原因を抑えることが可能となるでしょう。

次のような項目がポイントに挙げられています。

食事:脂肪の過剰摂取

外食が多かったり、肉類や揚げ物ばかり食べていると、脂質の過剰摂取がノネナールの多量分泌につながってしまいます。バランスの取れた食生活にしましょう。

ちなみにですが、特に加齢臭に気を付けるべき人のタイプとは、「お酒好き」「野菜や果物嫌い」「こってりした洋食好き」「甘いもの大好き」なのだそうです。

タバコ

喫煙は活性酸素を発生させ代謝を落とす原因です。せっかく食品から抗酸化物質を摂っても、1本タバコを吸えば台無しになるとさえいわれます。

また、血液中の中性脂肪が多い人やメタボリックシンドロームの人などは特に、喫煙が加齢臭を促進させるとされています。

ストレス

ストレスは体内に活性酸素や過酸化脂質を増やし、ノネナールを増加させます。

すると、自分の臭いが気になってますますストレスが高まるという悪循環が生じます。

激しい運動

激しい運動によって急激に呼吸量が増えると、活性酸素も多く発生します。無理のない運動を続けることが、加齢臭の予防にはおすすめです。

加齢臭対策

頭髪・頭皮、脇、股間や足など体臭が強く出るところは、とくに加齢臭も出やすい部位です。

これらも含めて全身を清潔に保つことは、加齢臭対策の基本でしょう。シャワーや入浴、タオルで身体を拭くこと、着替えをこまめにすること、歯磨きをする、などが挙げられます。

そのうえで、つぎのようなグッズが利用されています。

消臭グッズ

石鹸や乳液、パウダー、汗ふきシートなど。意外と中高年に人気があるのは「ガム」だそうです。

香水

加齢臭対策として多くの人が行っているようですが、香水と体臭をマッチさせることが重要なポイントです。ミスマッチをすると強烈な「におい」になってしまいます。

ミョウバン

市販の粉末ミョウバンを水に溶かして、脇や足など臭いが気になる部分にスプレーしたり、コップ一杯分のミョウバン水溶液を湯船に入れて入浴したりすることも、昔から「デオドラント(防臭・制汗)として活用されています。

加齢と臭い

加齢に伴い、加齢臭も含めてさまざまな「老人臭」とつき合っていかなくてはならなくなります。

アンモニア臭、口臭、便臭などさまざまですが、少々変わったケースとして、パーキンソン病の臭いがあります。

50代、60代といった高齢者に多いパーキンソン病。ドーパミンの減少によって発症するといわれる神経変性疾患の一つです。

イギリス人の女性が、夫がパーキンソン病になる前から「パーキンソン病に特有のにおい」に気がついたことがきっかけで、パーキンソン病患者を支援する慈善団体が、患者の呼気や皮脂の成分を調べる研究を始めているとのことです。

臭いからさまざまなことを嗅ぎとって、高齢者の病気予防など健康寿命に役立てられるなら、臭いも単なる邪魔者ではなくなるかもしれませんね。

 

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
 

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
株式会社 とらうべ 社員 産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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