大変革を実行した織田信長とスティーブ・ジョブズの意外な共通点

 

「天下布武」は信長が自身のミッションを明確に示した「経営理念の表明で、これだけをみても時代を超えたマネジメントのあり方を示します。ただ、織田信長もまた人だったので、資料によると少し揺らぐこともあり、さらに結構ユーモアを解したようです。しかし、その行動はあたかも中国の古典である一切の甘えを排した「韓非子」のシビアな合理性でかつ合目的な行動美を実践しております。

織田信長は、無意味な先入観や偶像を一切持たなかったと言われています。そしてその目標は明確で、その目標である「天下布武」というビジョンの達成に向かって労力を惜しむことなく、必要なすべての情報と知識を集めて決断し行動を起こしていました。

信長はいっさい人の忠告を聞かなかったと言われていますが、聞かなかったのは忠告であって情報や知識は貪欲に収集をおこなっています。それもポルトガル宣教師などの最先端の情報には、非常な興味を持って聴き取って、そして先入観なしに理解しているので、地球が球体であることも正しく理解していたそうです。

ここには、あるべき経営者としての基本姿勢の原型が示されています。情報と知識は先入観と予断なくあらゆる人から、あらゆるところから金に糸目をつけず収集し、そして意思決定においては誰にも頼らず、ここでも先入観と予断なく決定し、そして決断したことは直ちに行動に起こす。そして、失敗したら全体構想に鑑みて直ちに修正し再行動を行います。

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