コンビニ各社は何をもって変化に対応しているのか?
当該市場の伸びが鈍化し、飽和に近づいていく場合、新規市場に既存商品を当てていく開拓戦略をとるか、既存市場に新規商品を当てる開発戦略をとることが、セオリーになる。
記事にもあるように、シニアの新規顧客層を取り込むために、個食を充実させ、コミュニケーションをとるのが前者で、ローソンがゴディバのスイーツを導入し、既存顧客にアピールするのが後者になる。
各社とも、この攻略戦略を明確に実践している。中でも、食品に限らず、セブンイレブンがシックの使い捨てカミソリ「エクストリーム」を開発し「すぐに使いたい」という自社顧客の需要に対応したり、ファミマがカネボウと開発したセルフ化粧品も、女性の需要に見事に対応している。
ここで特筆したいのが、伸びている女性やシニア市場に対応している点と、「コンビニなのだからシニアの人は来ない」という固定観念にとらわれず、戦略を立てている点にある。
このような視点を踏まえて、ファミマがLINEと組んでのCRMの一環で、「顧客別クーポン」を発行することで、きめ細かく各個のニーズに対応している点など、IT活用での顧客志向が目につく。
こういった新しい一手を打つ際に、大企業においては、意思決定の複雑さからスピードが落ちることも多々あるが、コンビニ3社に関しては、スピード感持って実践していることが見受けられる。