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「刺激」を求めて勉強会に出向く人がいつまでたっても二流なワケ

著名人の講演会や異業種交流会など、普段なかなか会えないような人たちの話を聞いたり意見交換したりという経験は、とても刺激的で勉強になるものです。しかし、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、自分を高めることよりも「刺激」を受けること自体が目的となっている「刺激依存症」の人の多さを指摘、そうなってしまうとビジネスの本質がブレ始め本末転倒だと警鐘を鳴らしています。

刺激というごまかし

おかげさまで色々な業界や職種、年代のビジネスマンと出会う機会が多々あります。出会った方々といろんなお話をさせてもらうと「刺激をもらいました」という言葉を頂いたりすることも少なくありません。

でも、この「刺激」という言葉がどうも気になります。そういえば異業種交流会なんかに参加された方達の声なんてのを聞いていると…

「刺激をもらった」
「良い刺激になった」

というような感想があります。他人に刺激を受けることがモチベーションになっているようです。自分も明日からがんばろう、みたいな。

とまぁ、ポジティブな意味合いなので良いことだと思います。が、しかしです、中には刺激を求めることを目的とする人もたくさんいて、

なんてことになっています。これを刺激依存症といいます。僕が勝手に言っている造語です。睡眠薬がないと眠れない、みたいな。もう麻薬と同じです。

刺激がないとダメ、っていうのは、その瞬間心地いいだけのことです。典型的なのが、セミナーマニアやノウハウマニア、バーター人です。

以前、こんな方がいました。とある卸業の経営者で、某有名コンサルタント(名前は伏せます)の弟子だ、という、どうでも良いことをやたら自慢するのです。弟子といってもたくさんいるでしょうし、そのうちのどの程度の関係なのか? どのくらいの期間なのか? 分かりません。また、弟子になったことで、どの程度の結果が出たのかどうかも話してくれませんでした。ただ、弟子である、凄いでしょ? みたいなことだけを豪語します。もう完全にその有名コンサルタントに依存しています。

ほかにもまだいます。著名人を招いて、話を聴き日本の経済、社会について勉強する、という素晴らしい勉強会があるのですが、そこに出席しては、講演中居眠りをし、質疑もせず、懇親会で、「もっと我々中小企業に有利な政策をとってください」みたいなことを直談判する人。いってみてば、「自分では何もできないけど、あなたがんばってね。あなたががんばってくれたら僕もがんばるよ」みたいなことを平気で言っているのです。もう目も当てられません。そんなバカな経営者も結構いるのです。

新たに人と出会い、知らなかった知識を得る、成功者や権力者、実力者に会い、言葉を頂く。確かに刺激的です。ためになることもたくさんあるでしょう。ですが、それに依存してはいけません

刺激という言葉に覆われていて本人は気がついていない場合が多いですが、依存してしまうということは、単に不安や悩みなどを一瞬打ち消したいだけで、一種の痛み止めと同じです。つまり、刺激とは名ばかりで、その実は…「ごまかし」でしかないのです。

刺激という言葉の意味は、生体に作用してなんらかの現象や反応を起こさせること、特に知覚や感覚に作用して反応を起こさせること、またその原因となるもの、とあります。

ごまかしは、ポジティブな反応を起こさせるものではありません。その一瞬の快楽に浸るだけのことです。

ビジネスや商売をやっていく上で、刺激というものは求めて得るものではありません。ましてや、ごまかして快楽というぬるま湯に浸っている場合ではないはずです。自分自身のビジネス、商売をより良くしようと進む過程において、必然的に出会い知り得その時に感じるモノです。それ以上でも以下でもありません。

本人は美味しいと思って、なんでもかんでもマヨネーズをかけたり、タバスコをドバドバかけ過ぎたり、塩コショウをガンガンにかけまくったりする人がたまにいますが、本来の素材の味がわからなくなっている、本来の味をちゃんと味わいましょうよ、ということと同じで、刺激を求めすぎると感覚が麻痺します。感覚が麻痺すれば自身のビジネス商売の本質がブレます

そんなことにならないためにも、自分にとってその情報や知識、あるいは人が必要であるかどうか? 取捨選択すべき基準を設け刺激依存症にならないように十分に注意しましょう。

■今日のまとめ

『刺激に依存しない。』

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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