権力チェック放棄。安倍総理「提灯記事」を書いたNHK記者の実名

 

たしかに安倍首相には、自分や官邸の主要メンバーがいればどうにでもなるという「驕り」があっただろう。そのために、派閥の意向を重視し、組閣の充実をおろそかにした。

しかし同時に、岩田氏は「2016年は外交で頂上を極めた」と、安倍外交を絶賛しているのだ。そのうえで、2017年に発覚した森友・加計疑惑と大臣たちの失言、失態をひとくくりにし、次のように述べる。

安倍がこれまで築き上げてきた地球儀俯瞰外交が、国内問題で足元をすくわれることで機能不全に陥っている。

まるで安倍総理が「国内問題という他者の被害者であるかのような言い回しだ。その「国内問題」は安倍総理に起因しているのではないか。支持率急落の本質的な原因は、安倍総理自身の「権力の私物化にあるのではないか。

森友・加計問題について、「総理自らが招いた」と岩田氏は抽象的に言及しているものの、これに深く切り込むことは避けている

岩田氏の言いたいことはおそらくこうだろう。これまで外交面を中心に実績を積み上げてきたのに、できの悪い大臣や森友・加計問題のせいで台無しになってしまう。これも、成功体験から来る「驕り」ゆえであり、反省が必要である。

そして、唐突に出てくるのが、支援者宅の仏壇に手を合わせるうちに安倍総理が思い出したという座右の銘だ。「人に感謝し、人に祈る心を持て」。

真摯に反省する安倍総理の姿を、読む人にイメージしてもらいたい、ということだろうか。

「驕り」批判に見せかけながら、できるだけ安倍官邸の怒りを買わないよう配慮した記事とも、いえるだろう。

今年8月3日の内閣改造にともなう記者会見で安倍首相は「まず改めて深く反省し…5年前、私たちが政権を奪還した時のあの原点にもう一度立ち返り、謙虚に、丁寧に、国民の負託に応えるために全力を尽くす」と語っている。

これで分かるように、「驕り」を反省し謙虚に国民に向き合うという文脈は、いわば安倍官邸公認であり、岩田氏の直言とはおよそ言いがたい

岩田氏がジャーナリストとしての矜持と勇気をもって、安倍政治に物申したという気概は伝わってこないのである。

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