【大反響】高齢者をカモにする、「アパートローン」騙しの手口

 

この記事に取り上げられている最初の被害者は、東京から2時間ほど離れた中部地方で農家を営んできた80歳の老人。(銀行ではなく)大手不動産会社が「お持ちの土地を活かしてみませんか。アパートを建てれば、管理と入居者募集の手間はすべてこちらでお引き受けします。さらに、契約中の30年間は一定の家賃収入を保証します」というセールストークで近づいてきたそうです。

アパートの建設費9000万円は、この不動産会社が紹介した地方銀行ローンとして提供し、当初の(大手不動産会社による)家賃補償額はローンの支払いを上回っていたそうです。しかし、その後、同じようなアパートが近所に乱立し、入居率が下がり、結局は家賃補償額の見直しを迫られて困っている、という典型的な話です。

ちゃんと考えてみれば、アパート経営にはリスクがあり、そのリスクを最終的に追うのは(不動産屋ではなく)土地を担保に銀行からお金を借りた自分だということが分かるはずなのですが、「銀行や大手不動産会社が言うことならば信用できる」と安易に考えてしまう善良な人たちが、次々に騙されているのです。

社会全体で見ると、このアパートローン・バブルは、当初は地方ゼネコンにお金が流れるため、短期的には景気や雇用面ではプラスですが、中長期的には、入居率の低いアパートが乱立し不良債権化し、多くの人たちが破産したり、せっかく長年かけて手に入れた土地を失うことになります。

ニーズのないところに建てられたアパートは、最終的には朽ちていくばかりの負の資産なので、たとえ銀行がアパートと土地を借金の担保に入手したとしても、良い転売先を見つけることは簡単ではなく、最終的には(アパートバブルの乗じて金を貸していた)地方銀行も大きな損失を食らうことになると私は見ています。

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