キムタク主演映画の反応が、日本とアメリカで「真逆」すぎた理由

 

以前、このメルマガでも「海猿 ウミザル」ニューヨーク上映の際、日本では観客みんなが号泣するラストのクライマックスで、劇場がゆれるほどの大爆笑に包まれた、というコラムを書いたことがありました。

その際、監督の隣で鑑賞していた僕は、監督の機嫌をとるつもりで必要以上に爆笑しちゃいました。 直後、単独インタビューが控えていたため、少しでも気持ちよく取材に答えてもらう為に、でした。 だって笑わせるつもりで、監督はこのシーンを撮ったと思ったから。 事実、観客のニューヨーカーは涙を流して爆笑していたから。

あとになって、監督は泣かせるつもりで撮ったことを知りました。 僕とのインタビューでもちょっと落ち込んだように「正直、戸惑っています、、」とうなだれていました。

どんな内容で、どんなシーンだったかは前回書いたので、今回は簡潔に書きますが、海上保安庁(だっけ?)の主人公達が、決死の覚悟で最後出動します。 命がけの任務です。 主人公が恋人だけに伝える正直な気持ち、最後の告白。 それが誤って母艦全体に響き渡るマイクのスイッチをONにしたまま、しゃべってしまった。 最後の告白が、結果、自衛隊(?)全員に聞こえてしまった。 それを聴いて涙ぐむ仲間もいる。

正直言って、確実にニューヨーカーの方がセンスいいと思いました。 これ、ギャグ漫画だよね? 命がけの任務の前に、昨日今日、しかもナンパで知り合ったわっかいカップルの実は好きだったどーのこーのを、家族も待っている隊員たちが、国を背負う男たちが、感動の面持ちで聴き入るなんてことは絶対にない。

カッコいい感動的なBGMにダマされない。 ニューヨーカーはそのあたりをシビアに観る気がします。 感動的な(だけの)セリフに持っていかれない。 だから、笑っても不謹慎じゃない。 「でも、ホントのとこはどうなの?」いつだって自問自答している気がします。

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