一見、慎重で勉強熱心そうな理論先行型の人間はビジネスの世界で伸びそうに思えますが、実は「まずやってみる」という子供のような行動先行型のほうが確実に成長するんだとか。無料メルマガ『ビジネス発想源』に記されたその理由、たしかに納得です。
行動先行型の人の成長
大きく成長するタイプの人はたいてい、「まずやってみる」という性格です。
まず行ってみる、まず触れてみる、まず買ってみる、まず食べてみる、そうやってとりあえずパッと小さな体験をするという性格の人ほど、成長が大きいです。
私はかつて、POS機器のメーカーの会社員で、後輩社員が入社してきた時には、自社のPOSレジ製品の使い方を教えることがとても多くありました。
私は教える時にはまず、何の説明もなく、「とりあえず、触ってみて」と、タッチパネルを指差していました。教わっている後輩社員には、2タイプの人間がいます。
1つめのタイプは、「いやいやいやいや、まだ何も教わってないのに、使い方なんて分かるわけないじゃないですか」と言って、まず説明を求める理論先行型タイプ。
2つめのタイプは、「どこ触ってもいいんですかー?」と言いながら、すぐに好き勝手に触る、行動先行型タイプです。
前者のほうが慎重で、ちゃんと話を聞こうとしていて、勉強熱心そうだから見込みがありそうに見えますが、実際に働いていって、確実に成長するタイプは、間違いなく後者のタイプの人でした。
積極的な性格だからということもありますが、まず感触を確かめてみることで、そのものにより興味を感じたり、極めてみようという心が働いたりするのでしょう。
「ちょっと、あの場所に行ってみたんですけど」
「ちょっと、あれを調べてみたんですけど」
と、行動が早いために何事も解決が早く、それだけ成長のスピードが早くなるんですね。
この2タイプの差は、年齢が重なれば重なるほど、大きくなっていきます。それは、行動先行型の人の成長が大きいというより、理論先行型の人の成長の鈍化が凄まじいから、と言えるでしょう。
「はい、じゃあ紙に描いてみて下さい」と指示して、まず頭で考える理論先行型のタイプの人は、「消えないボールペンのほうがいいですか? それとも消せる鉛筆のほうがいいですか?」と、いちいち確認を取ろうとします。
だから、そんなことを確認している間に、行動先行型の人はもう描く内容をまとめてさっさと描いていっているのです。
もしそれが、「あ、指定されたペンで描くんですね。つい自分の鉛筆で描いてしまいました」と失敗だったとしても、行動は既にしてあるから、やり直しの行動も早いし、しかも2回目だからより経験を得ていることにもなります。
行動をしない人はそれだけ、得るものが少ないから、成長が圧倒的に遅くなるわけです。
そんな大人に比べると、子供は全般的に早いです。遊び方を教える前に、好き勝手に遊んでます。
理論先行型の人は、ボールを渡されたら「これ、投げてもいいんですか。どうやって投げたらいいですか。何回も投げていいんですか」などと、いちいち質問をするタイプで、それが終わるまでちっとも投げません。
ところが、子供は全般的に行動先行型だから、「これは野球のボールで……」と説明する前から、転がしたり、かじったり、車として走らせたり、好きなことをして使っています。でも、そんな中から、新しい遊びのルールが生まれたり、面白い商品のアイデアが生まれたりするわけです。
ビジネスの世界でも、成長が早くて大きいのは、理論先行型よりも行動先行型の人です。
まず行動してみる、という意識を持ちたいものですね。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
●自分の仕事において「理論先行型」の人と「行動先行型」の人にはどんな違いがあるか、それぞれの特徴と違いをノートにまとめる。
●「行動先行型」の人を増やすために、社内にどのようなルールや工夫があればいいか。ノートに書く。
image by: Shutterstock
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