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非正規の応募者が必ずしも「正社員登用」を望まない事情

企業が非正規雇用の求人応募者数を増やすため「メリット」としてアピールする正社員登用制度ですが、それだけでは万全な効果は望めないと指摘するのは無料メルマガ『「欲しい人材がザクザク採れる!」採用成功術』。内閣府のデータを紐解きつつ、より効果的なアピール法を提示しています。

「正社員登用あり」だけでアピールしていないか

正社員登用あり

パートや契約社員などのいわゆる非正規雇用の募集の際に、よく使われる言葉です。正社員になることができるというメリットをアピールし、応募数を増やすことを目的として使われています。

では、はたしてそれは効果的なのか

非正規雇用の問題は、その改善のために法律の改正まで行われてしまうほど大きな社会問題になっています。その問題点として以下のことがあげられます。

その他にも、昇給、賞与、社会保険などの待遇も正社員に比べて大きく下回っていることなど、様々な問題があります。そこで国は、なんとか非正規雇用を正規雇用に転換しようと必死になっているのです。

それにあわせて、会社も非正規雇用を正規雇用にと動いているところが増えています。

※ご参考 「企業の正社員化が加速! ユニクロやIKEAやスタバでパートが正社員に

ただ、この国や会社の非正規雇用を正規雇用へという方向性と、採用でどうアピールすべきかというのは別問題です。それは、非正規雇用の人が、必ずしも正規雇用を希望しているわけではないからです。

※ご参考 「非正規雇用を選択した理由:女性

少々、古いデータではありますが、こちらを見ると非正規雇用を選択した理由として「正社員として働ける会社がなかった」よりも「都合の良い時間に働ける」や「家事、育児、介護などと両立しやすい」などが圧倒的に多いことがわかります。

つまり、「正社員登用あり」と正規雇用になれることをアピールするよりも、シフトの柔軟性通勤の利便性をアピールしたほうが効果がある場合もあるということです。

正規雇用の社員に比べ、非正規雇用の人はなんらかの事情がある場合が多いです。その事情にあわせてアピールするのです。

例えば、正規雇用を目指している人には「正社員登用あり」を、働ける時間に制限がある人には「シフトの柔軟性」を、それぞれアピールするのです。

そうすることで、より採用の効率をあげることができます。

非正規雇用の問題は「本人たちがどう考えているか」と「会社がどう活用していくか」は分けて考える必要があります。

今回お話したように、たとえ本人たちが希望していないとしても、場合によっては正社員として雇用し、そのやる気をどう引き出して活用していくか、を考えることが必要になってきます。今後、間違いなく労働力人口は減ってくるからです。

そのためには、あらゆる人材を雇用形態に関わらず活用することが求められます。

非正規雇用をどう戦力化していくか、それが会社の競争力に大きく影響するようになってくるでしょう。

image by: Shutterstock

 

「欲しい人材がザクザク採れる!」採用成功術
人事歴11年、1200人以上の採用に関わってきた元人事担当で現在は人事コンサルティングを行っている著者が、採用を成功に導く情報をお届けします。「理想論だけでは採用はできない」実際の実務担当者ならではの経験談も交えて、お伝えします。
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