今回、発表されたハードウェアの中で、Pixel Budsが Googleの戦略をもっとも的確に具現化しています。これはハードウェア上は、AppleのEarPodsと同じくワイアレス・ヘッドフォンですが、GoogleのスマートフォンPixelと繋ぐことにより、翻訳機能が提供されるという点が、特徴です。
これは、ハードウェア+ソフトウェア+クラウド上のAIを活用した良い例で、クラウド上のAIに弱いApple には簡単には真似できない製品です。
個人的に少し悔しいのはClipです。数ヶ月前に、某カメラメーカーの経営陣に向けて、「GoProを単に『アクションカメラ』と捉えるべきではない。被写体に向けてシャッターを切る、という行為そのものを否定し、その瞬間・瞬間を楽しみながら写真や映像が残せる、新しいジャンルのカメラだと捉えて、今後の製品作りをすべき」とメモを書きましたが、まさにそのアイデアを具現化した製品を先にリリースされてしまいました。
今回の発表で明らかになったことは、これからPixel Budsのようにハードウェア+ソフトウェア+AIを活用した製品の分野で、Apple、Google、Amazonの三つ巴の戦いが激化するだろうということです(Microsoftはコンシューマー市場にはもう本気では出て来ないと思います)。AppleはクラウドとAIが弱く、Googleはユーザー体験のデザインが弱く、Amazonはスマートフォンを持っていない点が弱点ですが、面白い戦いになりそうです。
将来的には、ここに Facebookが参入する可能性もありますが、今のところOcculusしか持っていないので、簡単ではないと思います。どうしても参入したいとなれば、ソニーのスマートフォン部門の買収ぐらいのことをする必要があります。
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